ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌判定に用いられるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
尿素呼気試験は、ヘリコバクター・ピロリ菌が産生するウレアーゼの活性を利用し、除菌治療後に菌が残存しているかを判定する検査です。高感度かつ高特異度であり、患者への負担が少ない非侵襲的な方法であるため、除菌判定の第一選択として広く用いられています。
選択肢ごとの解説
- 1. 血液培養は、全身性の細菌感染症、特に敗血症などの血流感染症の診断に用いられる検査であり、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌判定には関係ありません。正しくは:ピロリ菌の除菌判定には使用されません。選びやすい理由:感染症に関連する検査であるため、漠然と関連があるように感じるかもしれませんが、ピロリ菌の除菌判定とは異なります。混同注意:全身性の細菌感染症の診断と、特定の部位に生息するピロリ菌の感染判定を混同しやすいです。
- 2. 消化管X線造影検査は、食道、胃、十二指腸などの形態的な異常(潰瘍、腫瘍、ポリープなど)を評価するための画像診断法であり、ヘリコバクター・ピロリ菌の有無や除菌の成否を直接判定する目的では用いられません。正しくは:ピロリ菌の除菌判定には使用されません。選びやすい理由:胃の疾患に関連する検査であるため、ピロリ菌感染と関連があるように思えるかもしれませんが、除菌判定とは目的が異なります。混同注意:胃の形態的な診断と、ピロリ菌の感染状態(活動性や除菌の成否)の診断を混同しやすいです。
- 3. 正解。尿素呼気試験は、ヘリコバクター・ピロリ菌が持つウレアーゼという酵素が尿素を分解し、生じた二酸化炭素を呼気中に排出する原理を利用した検査です。除菌治療後に菌が残存していれば陽性となるため、除菌が成功したかを確認する目的で、高感度・高特異度かつ非侵襲的な検査として広く用いられます。
- 4. 尿培養は、主に尿路感染症の原因菌を特定するために行われる検査です。ヘリコバクター・ピロリ菌は胃に生息する菌であり、尿路感染症の原因とはならないため、除菌判定には関係ありません。正しくは:ピロリ菌の除菌判定には使用されません。選びやすい理由:他の部位の「培養検査」という名称から、何らかの感染症の診断に用いられるという点で紛らわしいかもしれませんが、対象とする菌種や部位が異なります。混同注意:尿路感染症の診断と、胃に生息するピロリ菌感染の診断を混同しやすいです。
- 5. 便培養は、主に腸管感染症(細菌性赤痢、サルモネラ感染症など)の原因菌を検出するために用いられる検査です。ヘリコバクター・ピロリ菌は胃に生息し、便中に排泄されることはありますが、除菌判定の主流は便中抗原検査であり、便培養は一般的ではありません。正しくは:ピロリ菌の除菌判定には便中抗原検査が用いられますが、便培養は通常使用されません。選びやすい理由:消化器系の検査であり、菌の検出という点では関連があるように見えるかもしれませんが、ピロリ菌の除菌判定においては便中抗原検査が主要な方法です。混同注意:便中抗原検査と便培養検査、および腸管感染症の原因菌検出とピロリ菌感染症の診断を混同しやすいです。
国試ポイント
ヘリコバクター・ピロリ菌の感染診断や除菌判定に用いられる各種検査法について、その原理、特徴、そして適用範囲を正確に理解しているかを問う問題です。特に、非侵襲的で日常的に行われる検査が重要視されます。
混同注意
胃の形態異常を診断する検査(内視鏡検査、消化管造影)と、ピロリ菌の存在(感染・除菌判定)を診断する検査(尿素呼気試験、便中抗原検査など)を混同しやすいです。また、各培養検査がどの臓器のどの感染症診断に主に用いられるかについての知識が曖昧だと、誤った選択をしてしまう可能性があります。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題された場合、ピロリ菌の除菌判定に適した検査と適さない検査(特に血中抗体検査)の区別や、他の診断方法(迅速ウレアーゼ試験、便中抗原検査など)の原理と特徴が問われる可能性があります。また、これらの検査の実施時期(例えば、除菌治療後どれくらいの期間を空けて判定するか)も重要です。
関連知識
ヘリコバクター・ピロリ菌の診断方法には、侵襲的検査(内視鏡下生検による迅速ウレアーゼ試験、組織鏡検、培養法)と非侵襲的検査(尿素呼気試験、便中抗原検査、血中抗体検査)があります。除菌判定には、除菌後に速やかに陰性化する尿素呼気試験や便中抗原検査が適切です。血中抗体検査は除菌後もしばらく高値が続くため、除菌判定には不向きである点を理解しておく必要があります。