染色法と濃染する部位の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Q分染法は、キナクリンマスタードなどの蛍光色素を使用し、DNAのAT塩基対に富む領域を特異的に強く蛍光染色します。これにより、染色体上の特徴的なQバンドが形成され、個々の染色体を識別するために用いられます。選択肢4が正しい組み合わせです。
選択肢ごとの解説
- 1. C分染法は、主に構成的ヘテロクロマチン(特にセントロメア周辺領域)を濃染する染色法です。ユークロマチンは弱くしか染色されないか、ほとんど染色されません。正しくは:C分染法 - 構成的ヘテロクロマチン(特にセントロメア領域)選びやすい理由:C分染法が染色体の特定の部位を染めることは知っていても、具体的な部位(ヘテロクロマチンとユークロマチン)の区別があいまいだと誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:C分染法がヘテロクロマチンとユークロマチンを区別すること自体は正しいが、どちらを濃染するかを混同している可能性があります。
- 2. G分染法は、AT塩基対に富む領域(G暗帯)を濃染し、GC塩基対に富む領域(G明帯)は淡く染色されます。正しくは:G分染法 - AT塩基選びやすい理由:染色体分染法がDNAの塩基組成と関連することは知っていても、G分染法がATリッチかGCリッチかという具体的な関連性を誤解していると選びやすいです。混同注意:Q分染法やR分染法、あるいはGバンドの明帯と暗帯の染色特性を混同している可能性があります。
- 3. NOR分染法は、核小体形成領域(Nucleolar Organizer Region、rRNA遺伝子が存在する部位)を特異的に濃染する染色法です。テロメアは染色体の末端部分であり、NOR分染法で特異的に染まる部位ではありません。正しくは:NOR分染法 - 核小体形成領域 (rRNA遺伝子部位)選びやすい理由:染色体上の特定の構造を染める方法であることは理解していても、NORとテロメアの機能や位置を混同していると選択してしまいます。混同注意:染色体上の特定の末端構造を染める方法という漠然とした知識から、テロメアを連想してしまう可能性があります。
- 4. 正解。Q分染法は、キナクリンマスタードなどの蛍光色素を用いて染色体DNAのAT塩基対に富む領域を強く蛍光染色します。これにより、特徴的な縞模様(Qバンド)が観察されます。
- 5. 姉妹染色分体識別法(SCE法)は、DNA複製時にブロモデオキシウリジン(BrdU)を取り込ませ、その後に適切な染色を行うことで、姉妹染色分体間で交換が起こった部位(姉妹染色分体交換)を検出する目的で用いられます。これはヘテロクロマチンを特異的に濃染する手法ではありません。正しくは:姉妹染色体分染法 - 姉妹染色分体交換部位選びやすい理由:染色体分染法の名称から、漠然と特定の部位を染めると思い込みやすいですが、特定のヘテロクロマチンを染めるわけではありません。混同注意:C分染法やG分染法のようなヘテロクロマチン/ユークロマチンを区別する染色法と混同している可能性があります。
国試ポイント
染色体分染法の種類、それぞれの染色法で濃染される(あるいは淡く染まる)部位、およびその意義について正確な知識が問われています。特に、GバンドとQバンドの染色原理(ATリッチ/GCリッチ)、Cバンドの対象、NORバンドの対象は頻出です。
混同注意
各分染法が染める部位(ヘテロクロマチン、ユークロマチン、ATリッチ、GCリッチ、セントロメア、テロメア、NORなど)や、染色方法(ギムザ染色、蛍光染色など)を混同しやすいです。特にG分染法、Q分染法、R分染法の関係、C分染法とNOR分染法の対象は注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
各分染法の名称と原理を正確に結びつけられるか、濃染される部位がヘテロクロマチンかユークロマチンか、ATリッチかGCリッチかなどの具体的な特性を理解しているかが重要です。また、各バンド法の臨床的意義(例:染色体異常の同定、微細欠失の検出など)も問われる可能性があるため、合わせて復習することが望ましいです。
関連知識
G分染法: トリプシン処理後ギムザ染色、ATリッチ領域が暗帯(濃染)。R分染法: 高温処理後ギムザ染色、GCリッチ領域が濃染(R暗帯)。C分染法: 構成的ヘテロクロマチン(セントロメア周辺)を濃染。NOR分染法: 硝酸銀染色、核小体形成領域(rRNA遺伝子)を濃染。姉妹染色分体識別法 (SCE法): BrdU取り込み後染色、姉妹染色分体間の交換を検出。