健常成人で肝臓に接していないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
健常成人の肝臓は、上方は横隔膜、後方は右腎臓と右副腎、下方は胆囊、十二指腸上部、胃幽門部、横行結腸右曲など、多くの臓器や構造と隣接しています。しかし、腹部大動脈は後腹膜腔に位置するため、腹腔内臓器である肝臓とは直接接することはありません。両者の間には他の臓器(膵臓など)や腹膜が介在します。
選択肢ごとの解説
- 1. 肝臓の右葉の下部背面は、右腎臓の前面と接しているため、肝臓と隣接しています。選びやすい理由:腎臓が後腹膜臓器であるため、腹腔内臓器である肝臓とは接していないと誤解する可能性がありますが、右腎臓は肝臓と物理的に接触しています。混同注意:右腎臓と左腎臓の解剖学的関係。左腎臓は肝臓とは直接接しません。
- 2. 胆囊は肝臓の下面にある胆囊窩に収まっており、肝臓と密接に隣接しています。選びやすい理由:胆囊は肝臓の付属器であり独立した臓器であるため、肝臓と接していないと考えるかもしれませんが、解剖学的には完全に接しています。混同注意:胆囊が肝臓の一部であるかのような錯覚や、単なる機能的な関係と物理的な接触との混同。
- 3. 肝臓の上面全体は、横隔膜の下面と広く接しています。選びやすい理由:横隔膜は筋肉組織であり、臓器ではないため、直接の接触を想像しにくいかもしれませんが、物理的には広範囲にわたって接しています。混同注意:肝臓と胸腔内の臓器(肺や心臓など)との直接的な関係。
- 4. 横行結腸の右端、特に右結腸曲(肝結腸曲)は、肝臓の右葉の下面と接しています。選びやすい理由:大腸が肝臓から離れているという一般的なイメージから、接していないと誤解しやすいですが、右結腸曲は肝臓に隣接します。混同注意:横行結腸全体が肝臓と接しているかのような認識。特に接するのは右結腸曲です。
- 5. 正解。腹部大動脈は主に後腹膜腔に位置しており、肝臓は腹腔内の臓器です。これらの間には通常、膵臓、胃、十二指腸の一部、あるいは脂肪組織や腹膜などが介在するため、肝臓が直接腹部大動脈に接することはありません。選びやすい理由:肝臓への主要な血流(肝動脈)が腹部大動脈から分岐するため、物理的にも近いと考えるかもしれません。混同注意:肝臓への血流供給源との関係と、物理的な臓器間の接触。
国試ポイント
この問題は、健常な人体の主要な腹腔内臓器である肝臓の解剖学的知識、特にその周囲の臓器との位置関係を正確に理解しているかを問うています。肝臓の主要な隣接臓器を把握しているか、また、腹腔内臓器と後腹膜臓器の区別ができているかがポイントとなります。
混同注意
肝臓への血管(肝動脈が腹部大動脈の分枝であること)と、肝臓自体の物理的な接触面との混同が生じやすいです。また、腹腔内臓器と後腹膜臓器の区別が曖昧だと誤答しやすいでしょう。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が問われた場合、肝臓に接する他の臓器(例:胃、十二指腸、膵臓、右副腎)や、腹膜との関係(腹膜に覆われているか否か、間膜の有無)について、より詳細な知識が問われる可能性があります。また、病態時の臓器の位置異常なども考慮に入れる必要があるかもしれません。
関連知識
肝臓の解剖学的構造(肝鎌状間膜、冠状間膜、小網、肝門など)、肝臓の区域分類、肝臓が接する他の臓器(胃、十二指腸、膵臓、脾臓、副腎など)。腹腔内臓器と後腹膜臓器の分類についても関連知識が必要です。