H-E染色標本(別冊No. 8)を別に示す。この組織はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
下に示すH-E染色標本は、コロイドが充満した多数の濾胞構造が特徴的です。これらの濾胞は単層の立方上皮細胞によって裏打ちされており、これは甲状腺組織に特有の形態です。甲状腺は濾胞上皮細胞が甲状腺ホルモンを合成・貯蔵する内分泌腺であり、その組織学的特徴は他の選択肢の組織とは明確に異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 汗腺は主に導管と腺房から成り、導管は重層立方上皮、腺房は単層の立方上皮で構成されます。画像に見られるような濾胞構造は特徴的ではありません。正しくは:汗腺の組織は、螺旋状の導管や丸い腺房構造が特徴的です。選びやすい理由:分泌腺という点で似ていますが、組織像が大きく異なります。混同注意:他の外分泌腺と混同しやすいかもしれません。
- 2. 胸腺はリンパ組織であり、皮質と髄質に分かれ、リンパ球が密に集まっているのが特徴です。また、ハッサル小体と呼ばれる特徴的な構造が見られます。画像のような濾胞構造とは異なります。正しくは:胸腺はリンパ球の密な集簇とハッサル小体で識別されます。選びやすい理由:内分泌器と関連すると思われがちですが、主に免疫器官です。混同注意:リンパ節などの他のリンパ組織と混同する可能性があります。
- 3. 乳腺は腺房と導管から構成され、周囲には脂肪組織が多く見られます。活性化状態では腺房が大きく拡張しますが、画像のような均一な濾胞構造とは異なります。正しくは:乳腺は、多数の腺房とそれらを結ぶ導管、そして豊富な間質や脂肪組織で構成されています。選びやすい理由:分泌器官という点で似ていますが、組織像は異なります。混同注意:他の分泌腺や、発達段階が異なる乳腺組織と混同しやすいかもしれません。
- 4. 正解。甲状腺組織は、濾胞と呼ばれる球状の構造が多数集まって構成されています。濾胞の内腔にはコロイドと呼ばれる物質が貯蔵されており、濾胞上皮細胞(単層立方上皮)によって取り囲まれています。この画像の組織像は、コロイドで満たされた多数の濾胞が特徴的であり、甲状腺に典型的な所見です。正しくは:この記述は正しいです。選びやすい理由:特徴的な濾胞構造が認識できれば容易に正答にたどり着けます。
- 5. 唾液腺は漿液性腺房、粘液性腺房、またはその両方から成り、導管系が発達しています。画像のような規則的な濾胞構造は唾液腺には見られません。正しくは:唾液腺の組織は、漿液腺細胞、粘液腺細胞、およびそれらを取り囲む導管から構成されます。選びやすい理由:分泌腺という点で似ていますが、組織像が大きく異なります。混同注意:他の外分泌腺と混同しやすいかもしれません。
国試ポイント
臓器のH-E染色標本を正確に識別できるかどうかが問われる問題です。特に、特徴的な組織構造(この場合は甲状腺の濾胞構造)を認識する能力が重要になります。
混同注意
濾胞構造を持つ他の組織(例:卵巣の原始卵胞など、ただし形態は異なる)と混同する可能性は低いですが、分泌腺一般と混同しないよう、それぞれの詳細な組織構造を理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、まず全体のパターン(例:腺構造、リンパ組織、筋組織など)を把握し、次にその臓器に固有の識別可能な特徴(例:甲状腺の濾胞とコロイド、胸腺のハッサル小体、脾臓の白脾髄と赤脾髄など)を探すことで正答にたどり着けます。
関連知識
各臓器の機能と、その機能に対応する組織学的特徴(細胞の種類、配列、間質の状態など)を関連付けて学習することが重要です。特に内分泌腺、外分泌腺、リンパ組織の基本構造の違いを把握しておくべきです。