心エコーで連続波ドプラ法を使用するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
連続波ドプラ法(Continuous Wave Doppler: CWD)は、超音波ビームが交差する線上の血流の最高速度を測定するのに適しています。距離分解能はないものの、高速血流でもエイリアシングを起こさないという利点があります。三尖弁逆流(TR)や肺動脈弁狭窄などの高速な血流ジェットは、その最大速度を正確に測定するために連続波ドプラ法を用いることが必須です。このTRVmaxから簡易ベルヌーイの式(4Vmax^2)を用いて右室収縮期圧を推定できます。
選択肢ごとの解説
- 1. e'は、心筋の動きを評価する指標であり、組織ドプラ法(TDI)を用いて測定されます。連続波ドプラ法は血流速度の測定に特化しており、心筋速度の測定には通常使用されません。正しくは:組織ドプラ法(TDI)を用いて測定されます。選びやすい理由:ドプラ法の一種であるため、心機能評価に用いられる指標として混同しやすいですが、測定原理が異なります。混同注意:パルス波ドプラ法や組織ドプラ法(TDI)
- 2. E/A比は、僧帽弁口の拡張期血流速度をパルス波ドプラ法(PWD)で測定し、その比率から左室の拡張能を評価する指標です。連続波ドプラ法では特定の弁口の局所的な低速~中速血流の評価には適していません。正しくは:パルス波ドプラ法(PWD)を用いて測定されます。選びやすい理由:ドプラ法を使用する心機能評価指標であるため、連続波ドプラ法の適用範囲と誤解されやすいです。混同注意:パルス波ドプラ法(PWD)
- 3. 左室駆出率は、主にBモード画像から左室の拡張末期容積と収縮末期容積を測定し、その差から算出される指標です(例:Simpson法)。連続波ドプラ法を直接用いて算出するものではありません。正しくは:主にBモード画像から算出されます。選びやすい理由:心エコー検査における重要な心機能評価指標であるため、ドプラ法と関連付けやすいですが、直接的な測定法ではありません。混同注意:Bモード画像による左室容積測定
- 4. 肺体血流比(Qp/Qs)は、主にパルス波ドプラ法を用いて大動脈や肺動脈の血流速度時間積分値(VTI)を測定し、血管径と組み合わせて算出される指標です。連続波ドプラ法は特定の弁口のVTI測定には通常用いられません。正しくは:主にパルス波ドプラ法を用いて算出されます。選びやすい理由:血流量の評価であり、ドプラ法の応用範囲内ではありますが、具体的な測定方法が異なります。混同注意:パルス波ドプラ法(PWD)
- 5. 正解。右室収縮期圧は、三尖弁逆流の最大流速(TRVmax)を連続波ドプラ法で測定し、簡易ベルヌーイの式(4Vmax^2)と右房圧を組み合わせて算出されます。三尖弁逆流ジェットは高速血流であるため、エイリアシング現象を避け、正確な流速を捉えるために連続波ドプラ法が不可欠です。
国試ポイント
心エコー検査におけるドプラ法の種類(パルス波、連続波、組織ドプラ)と、それぞれの測定原理および主な臨床応用を正確に理解しているかが問われます。特に、高速血流の測定には連続波ドプラ法が不可欠であるという点を把握していることが重要です。
混同注意
パルス波ドプラ法と連続波ドプラ法の測定原理の違い(距離分解能の有無、エイリアシング現象の有無)や、それぞれの臨床的適用範囲を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
心エコー検査で特定の病態や指標を評価する際に、どのドプラ法を用いるべきか(例:僧帽弁狭窄症の圧較差評価には?、大動脈弁狭窄症の重症度評価には?)といった問題が出題された場合にも対応できるよう、各ドプラ法の詳細な適用例を再確認すると良いでしょう。
関連知識
ドプラ法の原理(ドプラ効果)、パルス波ドプラ法(PWD)の用途(弁口血流速度、VTI、拡張能評価など)、組織ドプラ法(TDI)の用途(心筋速度、弁輪速度など)、簡易ベルヌーイの式、エイリアシング現象。