体表からの超音波検査で使用する探触子の周波数が最も低いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
超音波検査において、探触子の周波数が低いほど超音波の深達度が高まり、深部にある臓器の観察に適しています。一方、周波数が高いほど分解能が向上し、体表に近い臓器や微細な構造の観察に適しています。選択肢の中で、心臓は胸壁(肋骨や肺)を透過し、体表から最も深い位置にある臓器の一つであるため、最も低い周波数(2~4MHz程度)の探触子が用いられ、減衰を少なくして深部まで超音波を到達させる必要があります。肝臓や膵臓も腹部深部にありますが、心臓ほど低い周波数は一般的ではありません。乳腺や頸動脈は体表に近い部位であり、高い分解能が必要とされるため、高い周波数の探触子が使用されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 通常、肝臓検査では2~5MHz程度の探触子が用いられ、心臓よりは高い周波数が使われることが多いです。より詳細な情報は高周波数の方が得られます。正しくは:肝臓の検査では、一般的に3.5MHz前後の探触子が用いられます。選びやすい理由:腹部臓器で深部にあるため、低い周波数が必要だと誤解されやすいです。混同注意:胃や腸などの消化管ガスが邪魔をする深部臓器と混同し、低周波が必要だと誤解する可能性がありますが、心臓はさらに深部であり骨に囲まれるため、より低周波数が必要となります。
- 2. 正解。心臓は胸腔内の深部に位置し、周囲を肋骨や肺に囲まれているため、超音波を深くまで透過させる必要があります。そのため、他の臓器と比較して最も低い周波数(例えば2~4MHz程度)の探触子が用いられます。低い周波数は減衰が少なく、深い場所の情報を得るのに適しています。
- 3. 膵臓も腹部深部に位置しますが、一般的には肝臓と同様に2~5MHz程度の探触子が使用され、心臓よりも高い周波数帯が選択されることが多いです。正しくは:膵臓の検査では、一般的に3.5MHz前後の探触子が用いられます。選びやすい理由:膵臓は消化管ガスに邪魔されることが多く、深部にあるため低い周波数が必要だと思われがちです。混同注意:他の腹部深部臓器(肝臓、腎臓など)と混同し、一律に低周波数と考えるかもしれませんが、心臓の検査は骨や肺の存在により、さらに透過性が求められます。
- 4. 乳腺は体表に近い位置にあるため、高い分解能を得るために非常に高い周波数(例えば7~18MHz)の探触子が使用されます。正しくは:乳腺の検査では、非常に高い周波数(例えば10MHz以上)が使用されます。選びやすい理由:特になし。表在臓器であるため、低い周波数が必要とは考えにくいです。混同注意:高分解能が求められる体表臓器(甲状腺、精巣など)と関連付けられ、高い周波数が必要であることは理解しやすいでしょう。
- 5. 頸動脈は体表に近く、血管壁の微細な変化を観察するためには高い分解能が必要です。そのため、高い周波数(例えば7~15MHz)の探触子が用いられます。正しくは:頸動脈の検査では、高い周波数(例えば7.5MHz以上)が使用されます。選びやすい理由:特になし。血管の精密な観察には高周波数が必要です。混同注意:他の血管エコー(例えば下肢静脈)と混同し、一律に中程度の周波数と考えるかもしれませんが、頸動脈は表面に近く、非常に詳細な観察が求められます。
国試ポイント
超音波探触子の周波数と、その周波数が適した検査部位(臓器の深さ、求められる分解能)との関係性を理解しているかを問う問題です。深部臓器ほど低周波数、表在臓器ほど高周波数が必要となる基本原則が重要です。
混同注意
各臓器の深さや、分解能と透過性のトレードオフ(低周波数=高透過性・低分解能、高周波数=低透過性・高分解能)に関する理解が曖昧だと間違えやすいです。特に、腹部臓器の深さの違いによる探触子選択が混同されやすい可能性があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出たら、探触子の種類(形状)と適用部位の組み合わせ(例:心臓=セクタ型、表在臓器=リニア型、腹部=コンベックス型)や、特定の疾患(例:甲状腺腫瘍、乳癌、肝硬変)の検査において推奨される探触子の周波数や種類について問われる可能性があります。
関連知識
超音波診断装置の探触子の種類(コンベックス、リニア、セクタなど)とその特性、各探触子が用いられる主な検査部位。超音波の物理特性(減衰、音速、屈折、反射など)と、それらが画像に与える影響。ドプラ法(カラードプラ、パワードプラ、パルスドプラ、連続波ドプラ)の原理と適用。