健常者の右肋間走査の超音波像(別冊No. 6)を別に示す。矢印で示すのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
超音波画像において、門脈は肝実質内で比較的太く、その血管壁が高エコー(白く明るく)に描出されるという特徴があります。これは、門脈が肝小葉間結合組織に囲まれているためです。一方、肝静脈は壁が薄く、低エコーに描出されます。肝動脈は門脈に比べて細く描出されます。提示された画像では、矢印で示された血管は太く、高エコーの壁を持つため、門脈と判断できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。右肋間走査による肝臓の超音波画像では、肝臓に入る門脈が観察されます。特に、矢印は肝実質内に走行し、比較的太く、壁のエコーレベルが高い血管として描出されており、これは門脈の典型的な特徴です。
- 2. 肝動脈は門脈に比べて細く、通常は門脈の周囲に沿って走行しますが、この画像で矢印が示す太い血管とは異なります。正しくは:肝動脈は門脈に比べて細く描出されることが多いです。選びやすい理由:肝臓内の血管であるため、関連する選択肢として選んでしまう可能性があります。混同注意:門脈と肝動脈は肝内を並走するため、混同しやすいですが、超音波上での太さや壁のエコーレベルが異なります。
- 3. 肝静脈は肝臓から心臓に戻る血液を運ぶ血管で、肝臓を走行する方向や合流部位が異なります。また、肝静脈の壁は門脈に比べてエコーレベルが低く薄く描出されるのが特徴です。正しくは:左肝静脈は通常、肝臓の左葉を走行し、下大静脈に合流します。選びやすい理由:肝臓内の主要な血管であるため、選択肢として考慮されやすいです。混同注意:肝静脈と門脈はともに肝内の太い血管ですが、走行パターン、壁のエコーレベル、ドプラでの血流方向が異なります。
- 4. 中肝静脈も肝静脈の一つであり、壁のエコーレベルが低いという特徴があります。また、肝臓の中央付近を走行し、下大静脈に合流します。矢印で示された血管の画像所見とは異なります。正しくは:中肝静脈は肝臓の中央を走行し、下大静脈に合流します。壁はエコーレベルが低いです。選びやすい理由:肝臓内の主要な血管であるため、選択肢として考慮されやすいです。混同注意:肝静脈と門脈はともに肝内の太い血管ですが、走行パターン、壁のエコーレベル、ドプラでの血流方向が異なります。
- 5. 右肝静脈も肝静脈の一つであり、肝臓の右葉を走行して下大静脈に合流します。壁のエコーレベルが低いという特徴があり、矢印で示された血管の画像所見とは異なります。正しくは:右肝静脈は肝臓の右葉を走行し、下大静脈に合流します。壁はエコーレベルが低いです。選びやすい理由:肝臓内の主要な血管であるため、選択肢として考慮されやすいです。混同注意:肝静脈と門脈はともに肝内の太い血管ですが、走行パターン、壁のエコーレベル、ドプラでの血流方向が異なります。
国試ポイント
超音波画像における肝臓内の主要血管(門脈、肝静脈、肝動脈)の基本的な見分け方、特に壁のエコーレベルの違いを問う問題です。肝臓の解剖学的知識と超音波画像の基本的な読影能力が求められます。
混同注意
門脈と肝静脈は肝内の主要な血管であり、ともに太く描出されることがあるため混同しやすいです。両者の超音波上の明確な違いは、門脈がエコーレベルの高い壁を持つ一方、肝静脈は壁のエコーレベルが低い(目立たない)点です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず肝臓内のどの血管が示されているかを確認し、特に血管壁のエコーレベル(明るさ)と血管の走行パターン、太さに注目して判別します。さらに、もしドプラ情報があれば、血流の方向(肝内流入か流出か)も重要な判断材料となります。
関連知識
肝臓の解剖学的知識(門脈系、肝静脈系、肝動脈系)、超音波画像の基礎(エコーレベルの概念、血管描出の原理)、およびカラードプラ法による血流方向の鑑別(門脈は肝へ、肝静脈は肝から)も関連知識として重要です。