脳波(別冊No. 5)を別に示す。最も考えられるのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
Creutzfeldt-Jakob病では、周期性同期性放電(PSD)と呼ばれる、約1秒周期で出現する三相波や鋭波が特徴的な脳波所見として知られています。この所見は、認知症の進行期によく見られます。提示された脳波図は、まさにこの周期性同期性放電を示しており、Creutzfeldt-Jakob病の診断を強く示唆しています。
選択肢ごとの解説
- 1. West症候群では、高振幅で不規則な徐波と多棘波が持続的に出現する「ヒプスアリスミア」と呼ばれる特徴的な脳波パターンが見られます。これは、この問題の脳波所見とは異なります。正しくは:この脳波所見はヒプスアリスミアではない。選びやすい理由:小児のてんかん症候群であるため、てんかん性脳波と混同しやすいが、波形が異なる。混同注意:ヒプスアリスミアの具体的な波形とこの問題の波形を区別できないと誤る可能性がある。
- 2. 欠神てんかんの脳波は、左右対称性で同期性のある3Hz棘徐波複合が特徴的です。この問題の脳波はこのようなパターンを示していません。正しくは:欠神てんかんの典型的な3Hz棘徐波複合ではない。選びやすい理由:てんかんの一種であるため、てんかん性脳波との関連で選ぶ可能性がある。混同注意:3Hz棘徐波複合の明確なイメージがないと、他の棘波を含む波形と混同する可能性がある。
- 3. 正解。Creutzfeldt-Jakob病(CJD)の脳波では、周期性同期性放電(PSD)と呼ばれる、1秒周期前後の周期で出現する鋭波や棘波、三相波が特徴的な所見として認められます。これは、問題の脳波図で示されているパターンと一致します。正しくは:問題の脳波はCreutzfeldt-Jakob病に特徴的な周期性同期性放電を示している。選びやすい理由:脳波所見から疾患を直接結びつける知識が問われるため、特徴的なPSDを見落とすと迷う可能性がある。混同注意:周期性同期性放電の概念と具体的な波形を知らないと、他のてんかん性脳波と区別できない可能性がある。
- 4. ミオクロニーてんかん、特に若年性ミオクロニーてんかんでは、全般性の棘徐波複合や多棘徐波複合が特徴的です。問題の脳波は全般性の同期性放電ではなく、周期性を示す特徴的なパターンであり、ミオクロニーてんかんの典型的な所見とは異なります。正しくは:ミオクロニーてんかんの全般性棘徐波複合とは異なる。選びやすい理由:てんかん性の疾患であるため、てんかん性脳波のいずれかと推測しやすい。混同注意:「てんかん」というキーワードから、具体的な波形の違いを意識せずに選んでしまう可能性がある。
- 5. Lennox-Gastaut症候群の脳波では、睡眠時に優位な2.5Hz以下の遅い棘徐波複合(slow spike-and-wave complex)が特徴的です。また、多棘波や速波の群発もみられます。問題の脳波所見はこれらと一致しません。正しくは:Lennox-Gastaut症候群に特徴的な遅い棘徐波複合ではない。選びやすい理由:難治性てんかん症候群であり、多様な脳波異常を呈するため、混同しやすい。混同注意:Lennox-Gastaut症候群の典型的な遅い棘徐波複合の具体像を理解していないと、他の異常波形と区別が難しい可能性がある。
国試ポイント
脳波の判読において、疾患に特異的な特徴的波形(例:Creutzfeldt-Jakob病の周期性同期性放電、West症候群のヒプスアリスミア、欠神てんかんの3Hz棘徐波複合、Lennox-Gastaut症候群のslow spike-and-wave complex)を正確に識別できるかどうかが問われる。特に、周期性同期性放電はCJDの診断において非常に重要な所見である。
混同注意
てんかん症候群(West症候群、欠神てんかん、ミオクロニーてんかん、Lennox-Gastaut症候群)の脳波所見はそれぞれ特徴があるが、全てが異常波形を示すため、それぞれの特徴的な波形を正確に把握していないと鑑別が難しい。特に、CJDのPSDはてんかん発作と誤解されることもあるが、その周期性と広範な分布が鑑別点となる。
次に同じ論点が出たら
提示された脳波所見が周期性同期性放電であることを認識し、その所見がどの疾患に特徴的であるかを知識と結びつけることが重要である。
関連知識
Creutzfeldt-Jakob病はプリオン病の一種で、急速に進行する認知症、ミオクロニー、小脳失調などを主症状とする神経変性疾患である。脳波以外にも、髄液検査(14-3-3蛋白、タウ蛋白、RT-QuIC法)やMRI拡散強調画像における特徴的な所見が診断に用いられる。周期性同期性放電は、疾患の後期に出現することが多い。