一過性に脳全体が虚血状態になって起こる意識障害はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
失神は、脳全体への血流が一時的に低下することで、脳の酸素供給が不足し、数秒から数分間の意識消失を来す状態です。これは一過性の脳全体虚血状態であり、問題文の定義と完全に一致します。自律神経の関与や心原性など原因は多様です。
選択肢ごとの解説
- 1. 傾眠は、呼びかけや軽い刺激で覚醒するものの、刺激がなくなるとすぐに眠り込んでしまう程度の意識レベルの低下を指します。脳全体が虚血状態になって起こる意識消失とは異なります。正しくは:傾眠は、覚醒レベルが低下した状態であり、意識消失ではありません。選びやすい理由:意識障害の一種であるため、混同しやすいかもしれません。しかし、問題文にあるような「虚血状態になって起こる意識消失」とは病態が異なります。混同注意:意識レベルの他の分類(昏迷、昏睡)
- 2. 昏睡は、痛み刺激にも反応せず、覚醒させるのが極めて困難な、最も重度の意識障害を指します。一過性の脳全体虚血が原因であるとは限りませんし、また意識消失の一過性という特徴とも異なります。正しくは:昏睡は、重度の意識障害であり、一過性の脳全体虚血に限定されません。選びやすい理由:重度の意識障害であるため、問題文の「意識障害」という言葉に引きずられやすいです。しかし、「一過性」という条件に合致しません。混同注意:他の意識レベル(傾眠、昏迷)
- 3. 昏迷は、呼びかけには全く反応しないが、痛み刺激には払いのけるような動作を示す程度の意識障害です。一過性の脳全体虚血が原因であるとは限らず、また意識消失の一過性という特徴とも異なります。正しくは:昏迷は、中等度から重度の意識障害であり、一過性の脳全体虚血に限定されません。選びやすい理由:意識障害の一種であり、重篤な状態を示すため、問題文の意識障害の選択肢として考えやすいです。しかし、「一過性」という条件に合致しません。混同注意:他の意識レベル(傾眠、昏睡)
- 4. 正解。失神は、脳全体への血流が一時的に低下することで、脳の酸素供給が不足し、数秒から数分間の意識消失を来す状態です。これは一過性の脳全体虚血状態であり、問題文の定義と完全に一致します。選びやすい理由:問題文の条件を正確に満たしているため、正答として選びやすいです。混同注意:てんかん発作(意識消失を伴うことがあるため)
- 5. せん妄は、意識混濁を背景に、幻覚や錯覚、不穏、興奮、見当識障害などがみられる精神症状であり、意識レベルの低下というよりは、意識内容の変容が主たる特徴です。脳全体が虚血状態になって起こる意識消失とは異なります。正しくは:せん妄は、意識内容の変容を特徴とする意識障害の一種であり、一過性の脳全体虚血による意識消失ではありません。選びやすい理由:意識障害の範疇に含まれる症状であるため、選択肢として考慮されやすいです。しかし、問題文の「脳全体が虚血状態になって起こる意識障害」という直接的な病態とは異なります。混同注意:他の意識レベルの低下(傾眠、昏迷、昏睡)
国試ポイント
意識障害の分類とその代表的な病態生理を正確に理解することが重要です。特に失神は一過性の全脳虚血による意識消失であることを覚える必要があります。
混同注意
意識レベルの低下を示す他の用語(傾眠、昏迷、昏睡)との違いを明確に区別すること。失神は一過性の全脳虚血に限定されるのに対し、他の意識障害は原因が多岐にわたります。
次に同じ論点が出たら
「一過性」「脳全体」「虚血状態」「意識障害」というキーワードが揃っていれば、失神を第一に選択します。特に「一過性」と「全脳性」がポイントです。
関連知識
意識障害の評価スケール(JCS, GCS)、意識障害を来す主な疾患(脳血管障害、てんかん、代謝性疾患、外傷など)、失神の種類(血管迷走神経性失神、起立性低血圧性失神、心原性失神など)。