慢性骨髄性白血病にみられる染色体異常はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
慢性骨髄性白血病(CML)は、特徴的な染色体異常であるt(9;22)(q34;q11.2)によって定義されます。この転座はフィラデルフィア染色体として知られ、BCR遺伝子とABL遺伝子が融合し、BCR-ABL融合遺伝子を形成します。この融合遺伝子から産生されるチロシンキナーゼは、CMLの発症と進行に中心的な役割を果たします。
選択肢ごとの解説
- 1. この染色体転座は、バーキットリンパ腫に特徴的な異常であり、慢性骨髄性白血病(CML)では見られません。正しくは:t(8;14)(q24;q32)は、バーキットリンパ腫に関連する染色体異常である。選びやすい理由:様々な血液疾患と染色体異常の組み合わせは多く、知識が曖昧だと他の白血病やリンパ腫の異常と混同しやすいです。混同注意:他のB細胞リンパ腫やT細胞リンパ腫に関連する転座と混同する可能性があります。
- 2. この染色体転座は、急性骨髄性白血病(AML)のM2型で特異的に認められる異常であり、慢性骨髄性白血病(CML)の診断基準には含まれません。正しくは:t(8;21)(q22;q22)は、急性骨髄性白血病(AML)のM2型に関連する染色体異常である。選びやすい理由:急性白血病の染色体異常も頻出であるため、CMLの異常と誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:急性骨髄性白血病の他の型や、別の染色体異常と誤認する可能性があります。
- 3. 正解。この染色体転座は、フィラデルフィア染色体として知られており、慢性骨髄性白血病(CML)の診断に極めて特徴的です。BCR-ABL融合遺伝子を形成し、疾患の発症に深く関与しています。
- 4. この染色体転座は、濾胞性リンパ腫に特有の異常であり、Bcl-2遺伝子の過剰発現を引き起こしますが、慢性骨髄性白血病(CML)とは関連がありません。正しくは:t(14;18)(q32;q21)は、濾胞性リンパ腫に関連する染色体異常である。選びやすい理由:リンパ腫の主要な染色体異常として有名であるため、白血病の問題で誤って選択肢として意識されることがあります。混同注意:他のリンパ腫や白血病の染色体異常との区別がつきにくい場合があります。
- 5. この染色体転座は、急性前骨髄球性白血病(APL、AMLのM3型)に特徴的な異常で、PML-RARα融合遺伝子を形成します。慢性骨髄性白血病(CML)では観察されません。正しくは:t(15;17)(q22;q12)は、急性前骨髄球性白血病(APL)に関連する染色体異常である。選びやすい理由:急性白血病の中でも予後や治療法が特殊なため、重要視されることが多い異常ですが、CMLとは別の疾患です。混同注意:他の急性骨髄性白血病の染色体異常や、類似の染色体番号を持つ他の転座と混同しやすいです。
国試ポイント
血液疾患の分類と診断において、特定の疾患に特徴的な染色体異常(核型異常)を問う問題は頻出です。特に、CMLのフィラデルフィア染色体や、AML・APL・リンパ腫など主要な血液腫瘍の代表的な染色体異常と、それらが形成する融合遺伝子の知識が求められます。単に異常の名前だけでなく、それがどの疾患に関連するか、また可能であれば関連する遺伝子まで把握していることが重要です。
混同注意
他の血液疾患の主要な染色体転座(例:AMLのt(8;21)、t(15;17);リンパ腫のt(14;18)など)と混同しやすいです。特に数字の並びが似ているものや、qアームの場所が近いものは注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出た場合、主要な白血病(CML, AML, ALL)やリンパ腫(濾胞性リンパ腫, バーキットリンパ腫, マントル細胞リンパ腫など)について、それぞれに特徴的な染色体異常とその表記、さらに可能であれば関与する融合遺伝子とそれがコードするタンパク質(機能)をセットで確認しましょう。特に治療標的となるような重要な異常は優先的に学習すべきです。
関連知識
CMLではt(9;22)によるBCR-ABL融合遺伝子が存在し、これが治療標的(チロシンキナーゼ阻害薬)となっています。他の血液疾患においても、特異的な染色体異常は診断だけでなく、予後予測や治療法の選択に重要な情報となります。例えば、APLのt(15;17)はレチノイン酸治療の適応となります。