脂肪細胞から分泌されるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
脂肪細胞は単なるエネルギー貯蔵器官ではなく、多くの生理活性物質(アディポサイトカイン)を分泌する重要な内分泌器官です。レプチンは食欲抑制やエネルギー消費促進に、アディポネクチンはインスリン感受性の向上や動脈硬化の抑制にそれぞれ関与しています。これらは脂肪細胞から分泌される代表的なアディポサイトカインです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。レプチンは脂肪細胞から分泌される代表的なアディポサイトカインであり、主に視床下部に作用して食欲を抑制し、エネルギー代謝を調節します。
- 2. インスリンは膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌されるホルモンであり、血糖値を下げる作用があります。正しくは:インスリンは膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌される。選びやすい理由:脂肪細胞はインスリン感受性が高く、インスリンによって糖や脂肪の取り込み・合成が促進されるため、関連があるように思えるかもしれませんが、分泌源ではありません。混同注意:血糖値の調節に関わる点で、脂肪細胞由来の代謝調節因子と混同する可能性があります。
- 3. ガストリンは主に胃のG細胞から分泌される消化管ホルモンであり、胃酸の分泌を促進する作用があります。正しくは:ガストリンは胃のG細胞から分泌される。選びやすい理由:ホルモンの一種であるため、他の内分泌腺由来のホルモンと混同しやすいかもしれません。混同注意:他の消化管ホルモンや、消化器系の調節に関わる神経伝達物質など。
- 4. インクレチン(GLP-1やGIPなど)は主に小腸のL細胞やK細胞から分泌される消化管ホルモンであり、血糖値に依存してインスリン分泌を促進します。正しくは:インクレチンは主に小腸から分泌される。選びやすい理由:血糖調節に関わるホルモンであるため、脂肪細胞由来の因子との関連を連想する可能性があります。混同注意:インスリンそのものや、他の血糖調節ホルモン。
- 5. 正解。アディポネクチンは脂肪細胞から特異的に分泌されるアディポサイトカインで、インスリン抵抗性の改善、抗動脈硬化作用、抗炎症作用など、多様な保護作用を持ちます。
国試ポイント
脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインの種類とその主な生理機能は、臨床検査技師国家試験において頻繁に問われる重要項目です。特にレプチンとアディポネクチンは、その分泌源と作用を正確に理解しておく必要があります。また、他の内分泌腺から分泌されるホルモンとの区別もポイントとなります。
混同注意
脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカイン(レプチン、アディポネクチンなど)と、膵臓(インスリン)、胃(ガストリン)、小腸(インクレチン)など、他の内分泌器官から分泌されるホルモンを混同しやすい傾向があります。特に代謝調節に関わるホルモン群は機能が重複する部分があるため、分泌源を正確に覚えることが重要です。
次に同じ論点が出たら
脂肪細胞から分泌される主要なアディポサイトカインの種類と、それぞれの生理作用を正確に記憶しているか。加えて、膵臓、胃、小腸、甲状腺、副腎などの主要な内分泌器官から分泌される代表的なホルモンの名称、分泌源、主な作用を区別できるかを確認します。
関連知識
アディポサイトカインには、レプチン、アディポネクチンの他にも、TNF-α、IL-6、レジスチン、PAI-1などがあり、これらは肥満に伴い分泌バランスが変化し、インスリン抵抗性、慢性炎症、動脈硬化などの病態に深く関与します。それぞれの主要な作用についても理解を深めることが望ましいです。また、インスリン、ガストリン、インクレチンといった選択肢のホルモンの基本的な機能(血糖降下、胃酸分泌促進、血糖依存性インスリン分泌促進)も再確認が必要です。