血清アルブミンで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
採血時の体位変換は、体液の移動を引き起こし、血管内血漿量に影響を与えます。座位から臥位へ移行すると、間質液が血管内に移動して血漿量が増加するため、血漿中のアルブミン濃度は希釈され、見かけ上低値を示します。これは採血手技における重要な注意点の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 劇症肝炎では肝臓の機能が著しく低下するため、アルブミンの合成能力が損なわれ、結果として血清アルブミン濃度は低下します。正しくは:劇症肝炎の場合、血中濃度は低下します。選びやすい理由:炎症性疾患でCRPなどの急性期反応物質が上昇するイメージと混同し、劇症肝炎のような重篤な病態では何らかの物質が上昇すると誤解してしまう可能性があります。混同注意:CRP(C反応性タンパク)などの急性期反応物質。アルブミンは負の急性期タンパクに分類されるため、炎症時にはむしろ低下傾向を示します。
- 2. 血清アルブミンの半減期は一般的に約15~20日とされており、7日という値は短すぎます。正しくは:その半減期は約15~20日とされています。選びやすい理由:他の血漿タンパク質の半減期と混同しやすいです。例えば、プレアルブミン(トランスサイレチン)の半減期は約2日、トランスフェリンは約8日など、多くのタンパク質があり、正確な数字を覚えていないと選びやすいです。混同注意:プレアルブミン(トランスサイレチン、半減期約2日)やトランスフェリン(半減期約8日)。
- 3. 正解。座位から臥位に体位が変わると、間質液が血管内に移動し、血漿量が増加します。これにより血漿中のアルブミンが希釈されるため、濃度は低く測定されます。これは「体位性ヘモコンセントレーション」と呼ばれる現象です。
- 4. 血中のカルシウムの約40~50%はアルブミンと結合しています。したがって、アルブミン濃度が低下すれば結合型カルシウムも減少し、それに伴い総カルシウム濃度も低下します。このため、両者には正の相関関係があります。正しくは:総カルシウム濃度とは正の相関関係にあります。選びやすい理由:アルブミン補正カルシウムという概念があるため、アルブミン濃度がカルシウム値に複雑な影響を与えると考えてしまい、負の相関があると誤解する可能性があります。しかし、補正カルシウムはアルブミンの変動による見かけのカルシウム値の変化を補正するものであり、元々のアルブミンと総カルシウムの直接の相関関係を否定するものではありません。混同注意:アルブミン補正カルシウムの計算式や、イオン化カルシウムとの関係。
- 5. 健常な人の尿中アルブミン排泄量は通常30mg/日未満です。1g/日(1000mg/日)は、高度なタンパク尿に相当し、腎機能障害が強く疑われるレベルです。正しくは:健康な人では、1日に30mg未満が尿中へ排泄されます。選びやすい理由:「微量アルブミン尿」という言葉の知識はあるものの、その具体的な基準値や、通常の排泄量との差を曖昧に理解していると、1gという数字を正常範囲と誤解しやすいです。混同注意:微量アルブミン尿の基準値(30~300mg/日)や、顕性タンパク尿の基準値。
国試ポイント
血清アルブミンの生理学的特性(合成・分解、半減期)、体内での主な機能、そして検査値に影響を与える生理的要因(体位、脱水など)や病態(肝疾患、腎疾患、炎症など)が頻繁に問われます。特に、体位による変動は採血時の注意点としても重要であり、基礎知識として理解が求められます。
混同注意
アルブミンの半減期(他のタンパク質との混同)、体位による変動と脱水による変動(体液量の変化という点で似ているが、方向性が異なる場合がある)、総カルシウムとの関係(補正カルシウムの概念と直接の相関関係との混同)、尿中排泄量(微量アルブミン尿の基準値と高度タンパク尿の基準値)。
次に同じ論点が出たら
次にアルブミンの問題が出たら、その半減期、主要な機能(浸透圧維持、輸送)、低値を示す主な疾患、および採血以外の測定に影響を与える要因(検体の溶血、脂質など)に注目して検討します。
関連知識
アルブミンは肝臓で合成される主要な血漿タンパク質であり、膠質浸透圧の維持、薬物やホルモン、金属イオンの輸送体としての役割を担います。半減期が約15~20日と比較的長いため、慢性的な栄養状態の指標として用いられます。低アルブミン血症は、肝機能障害、ネフローゼ症候群などの腎疾患、栄養不良、全身性炎症などで見られます。体位による変動は、採血時の標準化が重要な理由の一つです。