酵素法でクレアチニンを測定する際に用いられるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
クレアチニンを酵素法で測定する場合、一般的に「クレアチニナーゼ-クレアチナーゼ-ザルコシンオキシダーゼ法」が用いられます。この方法では、まずクレアチニナーゼがクレアチニンをクレアチンに分解します。次に、クレアチナーゼがクレアチンをザルコシンと尿素に分解し、最後にザルコシンオキシダーゼがザルコシンを酸化して過酸化水素を生成します。この過酸化水素量をペルオキシダーゼと色素を用いて測定することで、クレアチニン濃度を算出します。したがって、クレアチニナーゼとザルコシンオキシダーゼはクレアチニン酵素法測定に不可欠な酵素です。
選択肢ごとの解説
- 1. ウリカーゼは尿酸をアラントインに分解する酵素であり、クレアチニンの測定には関与しません。正しくは:尿酸の測定に用いられる酵素です。選びやすい理由:他の代謝物の測定で使われる酵素として、知識の混同を誘発する可能性があります。混同注意:クレアチニンと同じく腎機能に関連する代謝物である尿酸の測定酵素と混同しやすい。
- 2. 乳酸脱水素酵素(LDH)は、乳酸とピルビン酸の相互変換を触媒する酵素で、主に肝機能や心筋梗塞の指標として測定されますが、クレアチニンの測定には用いられません。正しくは:乳酸およびピルビン酸の測定や、心筋・肝疾患の指標として測定される酵素です。選びやすい理由:生体内によく存在する酵素であり、一般的な酵素法の知識の中で選択肢として出てくるため。混同注意:酵素一般の知識と混同しやすい。特に、臨床検査で頻繁に測定される他の酵素と誤解しやすい。
- 3. 正解。クレアチニナーゼはクレアチニンを分解してクレアチンを生成する酵素であり、クレアチニンの酵素法測定において、最初の段階でクレアチニンをクレアチンへ変換するために必須です。
- 4. リンゴ酸脱水素酵素(MDH)は、クエン酸回路の一部としてリンゴ酸とオキサロ酢酸の相互変換を触媒する酵素であり、クレアチニンの測定には直接関係ありません。正しくは:クエン酸回路やアミノ酸代謝に関連する酵素で、心筋梗塞や肝炎の指標として測定されることがあります。選びやすい理由:他の脱水素酵素(例:LDH)と同様に、生化学検査で頻出する酵素として知識が漠然としている場合に選びやすい。混同注意:他の脱水素酵素やクエン酸回路の構成酵素と混同しやすい。
- 5. 正解。クレアチニン酵素法測定では、クレアチニナーゼによってクレアチンが生成された後、さらにクレアチナーゼによってクレアチンがザルコシンと尿素に分解されます。このザルコシンをザルコシンオキシダーゼが酸化して過酸化水素を生成し、この過酸化水素量を測定することでクレアチニン濃度を決定するため、重要な役割を果たします。
国試ポイント
臨床検査における主要な代謝物の測定原理、特に酵素法のキーとなる酵素を正確に理解しているかを問う問題です。各酵素がどの代謝物(基質)に作用し、どのような疾患マーカーの測定に用いられるかを区別できる知識が求められます。複数の酵素が関与する多段階反応の測定系も出題されやすいポイントです。
混同注意
クレアチニンとクレアチンの違い、およびそれぞれに関わる酵素を混同しやすいです。また、一般的な生化学検査で測定される他の酵素(LDH、AST、ALTなど)や、クレアチニン測定法のジャッフェ反応(化学法)と酵素法の区別も混同しやすい点です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の重要検査項目(例:尿素窒素、尿酸、血糖、コレステロールなど)の酵素法測定に用いられる具体的な酵素とその反応経路を問う問題が出ると考えられます。また、酵素法測定における阻害物質や共存物質の影響、あるいは測定感度・特異性に関する内容もチェックすべきです。
関連知識
腎機能マーカーとしてのクレアチニン、尿素窒素、eGFRの意義を理解しておくことが重要です。また、クレアチン代謝経路と関連酵素(クレアチンキナーゼなど)、酵素法の一般的な原理(カップリング反応、発色反応など)、そして尿酸、乳酸などの他の主要代謝物の測定原理と使用酵素についても関連知識として押さえておくべきです。