レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ〈LCAT〉を活性化するのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)は、HDL粒子内でコレステロールをコレステロールエステルに変換する重要な酵素です。この反応によって末梢組織から回収されたコレステロールがHDLの内部にエステルとして貯蔵され、肝臓へのコレステロール逆転送を促進します。LCATの活性には特定のアポリポタンパク質が必須であり、主要な活性化因子はアポリポタンパク質A-Iです。また、アポリポタンパク質C-IもLCATの活性化因子として機能することが知られています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。アポリポタンパク質A-Iは、LCATがHDL粒子内でコレステロールをコレステロールエステルに変換する際に必須の活性化因子です。特に新生HDLでは、LCATの主要な活性化因子として機能します。
- 2. アポリポタンパク質B-48は、主に小腸で合成され、カイロミクロンに特異的に存在します。カイロミクロンの組み立てと分泌に関与しますが、LCATの活性化作用はありません。正しくは:アポリポタンパク質B-48はカイロミクロンを構成し、その分泌と成熟に関与しますが、LCATの活性化作用はありません。選びやすい理由:他のアポリポタンパク質との機能の混同、特に脂質代謝に関わる様々なアポリポタンパク質の中で、特定の酵素との関連性を誤認しやすいかもしれません。混同注意:アポリポタンパク質B-100(VLDL、LDLの主成分でLDL受容体リガンド)や、他のアポリポタンパク質の機能と混同することがあります。
- 3. 正解。アポリポタンパク質C-Iも、LCATの活性化因子として機能することが知られています。アポリポタンパク質A-Iほど強力ではありませんが、in vitroでの活性化が確認されています。
- 4. アポリポタンパク質C-IIは、リポタンパク質リパーゼ(LPL)の主要な活性化因子です。LPLの作用を促進してトリグリセリドの加水分解を促しますが、LCATの活性化には関与しません。正しくは:アポリポタンパク質C-IIはリポタンパク質リパーゼ(LPL)を活性化し、トリグリセリドの加水分解を促進します。選びやすい理由:アポリポタンパク質C群にはLCATを活性化するアポC-Iと、LPLを活性化するアポC-IIがあり、名称が類似しているため混同しやすいです。混同注意:アポリポタンパク質C-I(LCAT活性化)、アポリポタンパク質C-III(LPL阻害)など、他のアポリポタンパク質の機能と混同しやすいです。
- 5. アポリポタンパク質Eは、カイロミクロンレムナントやVLDLレムナント、LDLが肝臓や末梢組織の受容体(レムナント受容体やLDL受容体)に取り込まれる際のリガンドとして機能します。LCATの活性化作用はありません。正しくは:アポリポタンパク質Eはレムナント受容体やLDL受容体などのリガンドとして働き、コレステロールの細胞への取り込みに関与します。選びやすい理由:コレステロール代謝に深く関わるアポリポタンパク質であるため、LCATとも何らかの関連があるように誤解しやすいかもしれません。混同注意:アポリポタンパク質A-I(LCAT活性化)、アポリポタンパク質B-100(LDL受容体リガンド)など、他のアポリポタンパク質の機能と混同することがあります。
国試ポイント
アポリポタンパク質の機能、特にそれぞれの酵素活性化作用や受容体結合能について問われる問題は頻出です。LCATの活性化因子だけでなく、リポタンパク質リパーゼ(LPL)やコレステロールエステル転送蛋白(CETP)など、脂質代謝に関わる主要な酵素と、それらに関与するアポリポタンパク質の組み合わせを正確に記憶しているかが問われます。
混同注意
アポリポタンパク質の機能は多岐にわたり、それぞれが特定の酵素や受容体と関連しているため、混同しやすい点が学習上の注意点です。特に、アポリポタンパク質C群のアポC-I(LCAT活性化)とアポC-II(LPL活性化)は名称が類似しているため、機能を混同しやすいです。また、アポA-I(LCAT活性化)とアポB-100(LDL受容体リガンド)、アポE(レムナント受容体リガンド)など、主要なアポリポタンパク質の機能は正確に区別して理解する必要があります。
次に同じ論点が出たら
この論点について次に問われた場合、LCATの活性化因子だけでなく、各アポリポタンパク質が関与する他の酵素(例:LPL)や受容体(例:LDL受容体、レムナント受容体)との関係、さらには各リポタンパク質(カイロミクロン、VLDL、LDL、HDL)における主要なアポリポタンパク質の構成を理解しているかが重要となります。脂質代謝の経路全体を俯瞰し、どこでどの酵素やアポリポタンパク質が機能するかを正確に把握しておくことが求められます。
関連知識
LCAT(Lecithin-cholesterol acyltransferase):HDLの成熟に重要な酵素で、コレステロールをコレステロールエステルに変換し、HDLによるコレステロール逆転送を促進します。主要なアポリポタンパク質の機能:アポA-IはHDLの主成分でLCATを活性化。アポB-100はVLDL, IDL, LDLの主成分でLDL受容体リガンド。アポB-48はカイロミクロンの主成分。アポC-IはLCATを活性化。アポC-IIはLPLを活性化。アポC-IIIはLPLを阻害。アポEはカイロミクロンレムナントやVLDLレムナントの受容体リガンドとして機能します。