ヘマトキシリンの色出しに使用するのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
ヘマトキシリン染色後の「青染め(bluing)」は、核を赤紫色から安定した青色に変化させるためのアルカリ処理です。選択肢3のアンモニア水と選択肢4の炭酸リチウム水溶液は、いずれもアルカリ性であり、この青染め工程で広く使用される代表的な試薬です。これらにより、染色された核が青色に発色し、エオジンによる細胞質染色とのコントラストが明確になります。
選択肢ごとの解説
- 1. ヘマトキシリンの青染めはアルカリ性環境で行われますが、酢酸は酸性であるため、青染め効果はありません。正しくは:青染めにはアルカリ性の試薬(例:アンモニア水、炭酸リチウム水溶液)を使用します。選びやすい理由:染色工程でpH調整や固定液成分として使用されることがあるため、関連試薬として誤解しやすいかもしれません。混同注意:他の染色液の調製や、特定の組織処理で用いられる酸性試薬と混同する可能性があります。
- 2. ヘマトキシリンの青染めはアルカリ性環境で行われますが、クエン酸は酸性であるため、青染め効果はありません。正しくは:青染めにはアルカリ性の試薬(例:アンモニア水、炭酸リチウム水溶液)を使用します。選びやすい理由:生化学検査など様々な分野で用いられる一般的な試薬であるため、何らかの目的で染色にも使用されると誤って判断される可能性があります。混同注意:脱灰剤や緩衝液の成分として知られており、青染めの試薬とは役割が異なります。
- 3. 正解。アンモニア水はアルカリ性であり、ヘマトキシリンで赤紫色に染まった核の色を、鮮明で安定した青色に変化させる「青染め(bluing)」の目的で広く使用されます。
- 4. 正解。炭酸リチウム水溶液はアルカリ性を示し、ヘマトキシリン染色後の「青染め(bluing)」に非常に効果的な試薬として、特に飽和水溶液がよく用いられます。
- 5. 塩酸アルコールは、ヘマトキシリン染色の「脱分化(differentiating)」工程で、核以外の部分に過剰に結合した色素を洗い流すために使用される酸性の試薬です。これは青染めとは逆の作用を持ちます。正しくは:青染めにはアルカリ性の試薬(例:アンモニア水、炭酸リチウム水溶液)を使用します。選びやすい理由:ヘマトキシリン染色の一連の後処理工程で登場するため、青染めと混同しやすいですが、その役割は全く異なります。混同注意:ヘマトキシリン染色の「脱分化(differentiating)」と「青染め(bluing)」は、どちらも染色後の重要な工程ですが、使用する試薬と目的が異なるため混同しやすいです。
国試ポイント
組織染色、特にHE染色におけるヘマトキシリンの各工程(媒染、染色、脱分化、青染め)で用いられる試薬の名称とそれぞれの役割を正確に理解しているかが問われています。特に青染めがアルカリ性処理であることと、その代表的な試薬を覚えていることが重要です。
混同注意
ヘマトキシリン染色の後処理における「脱分化(differentiating)」と「青染め(bluing)」の役割および使用試薬は、混同されやすいポイントです。脱分化は酸性試薬(例:塩酸アルコール)で過剰な色素を除去し、青染めはアルカリ性試薬で色を青く定着させるという明確な違いを理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に類題が出題された場合、ヘマトキシリン染色における「脱分化」に使用される試薬(例:塩酸アルコール)や、ヘマトキシリン染色の「媒染剤」(例:ミョウバン)を問われる可能性があります。また、青染めの際にpHが適切でない場合にどのような問題が起こるか(例:退色、不鮮明な染色)なども出題されるかもしれません。それぞれの工程と使用試薬を関連付けて記憶しておくことが重要です。
関連知識
ヘマトキシリン染色に関する関連知識としては、媒染剤(ミョウバンなど)の役割、ヘマトキシリンの種類(メイエル、デラフィールド、ハリスなど)とそれぞれの特徴、HE染色全体のプロトコル(固定、脱水、透明、パラフィン包埋、薄切、脱パラフィン、水洗、ヘマトキシリン染色、水洗、脱分化、水洗、青染め、水洗、エオジン染色、脱水、透明、封入)などがあります。