プロテイン銀を使用するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
Bodian染色は、神経線維を検出するために用いられる古典的な銀染色法であり、プロテイン銀(プロターゴール)を主たる銀試薬として使用します。プロテイン銀は、銀イオンをタンパク質に結合させることで、より安定した状態で組織に銀を供給し、特異的な染色を可能にします。
選択肢ごとの解説
- 1. PAM染色は、周期酸化によって多糖類をアルデヒド基に変換した後、ヘキサミン銀(メセナミン銀)溶液を用いて基底膜や真菌などを染める方法です。プロテイン銀は使用しません。正しくは:PAM染色では、銀試薬としてヘキサミン銀(メセナミン銀)を使用します。選びやすい理由:銀染色の一種であるため、他の銀染色と混同しやすい可能性があります。混同注意:ゴモリーメセナミン銀染色(Grocott染色)と混同しやすいですが、両者ともプロテイン銀は使用しません。
- 2. Kossa反応は、組織内のカルシウム塩を検出するための方法です。カルシウムと銀イオンが反応してリン酸銀や炭酸銀を形成することで、カルシウム沈着を黒色に可視化しますが、プロテイン銀を銀試薬として用いるものではありません。正しくは:Kossa反応は、カルシウムと硝酸銀を反応させてカルシウムを検出する反応であり、プロテイン銀は用いません。選びやすい理由:銀を使用するため、銀染色全般と誤解されるかもしれません。混同注意:他の組織化学的検出法、特に金属を検出する染色法と混同しやすいです。
- 3. 正解。Bodian染色は、神経線維、特に神経突起や神経原線維変化などを染め出すための特殊染色法で、プロテイン銀(プロターゴール)を銀試薬として使用します。プロテイン銀は、銀イオンをタンパク質に結合させた安定した化合物であり、均一な銀沈着を可能にします。
- 4. Grocott染色は、真菌やニューモシスチス・イロベチーなどを検出するために用いられる染色法で、過ヨウ素酸メセナミン銀染色(PAM染色)の一種です。銀試薬としてはヘキサミン銀(メセナミン銀)を使用し、プロテイン銀は使用しません。正しくは:Grocott染色では、銀試薬としてヘキサミン銀(メセナミン銀)を使用します。選びやすい理由:真菌の検出に用いられる銀染色であるため、銀染色全般の知識と混同しやすいです。混同注意:PAM染色と非常に似ており、どちらもプロテイン銀を使用しない点で共通しています。
- 5. Grimelius染色は、消化管内分泌細胞や神経内分泌腫瘍(特にアルギロフィル細胞)を検出するための染色法です。硝酸銀水溶液を使用し、その後に還元剤で銀を還元して細胞質内顆粒を染め出しますが、プロテイン銀は用いません。正しくは:Grimelius染色では、硝酸銀水溶液を銀試薬として使用します。選びやすい理由:神経内分泌系の細胞を染める銀染色であるため、神経線維を染めるBodian染色と混同しやすい可能性があります。混同注意:アルギロフィル反応陽性の細胞を検出する他の銀染色(例:Sevier-Munger染色)と混同しやすいです。
国試ポイント
組織染色法、特に特殊染色に関する基本的な知識が問われています。様々な染色法の目的、主要な試薬、染色される構造について理解していることが重要です。特に銀染色には多くの種類があり、それぞれの特徴的な試薬(プロテイン銀、メセナミン銀、硝酸銀など)と適用される組織・病原体を区別する能力が求められます。
混同注意
神経線維を染める他の銀染色や、真菌・基底膜を染める銀染色(PAM, Grocott)との混同が考えられます。また、内分泌細胞を染める銀染色(Grimeliusなど)も銀試薬を使う点で混同しやすいです。それぞれの染色法の「目的」と「主要な銀試薬」をセットで覚えることが重要です。
次に同じ論点が出たら
次回この論点が出題される場合は、他の銀染色法(例:Warthin-Starry染色、Fontana-Masson染色)の主要試薬や、異なる種類の特殊染色(例:脂肪染色、色素染色、酵素組織化学染色)の目的と原理が問われる可能性があります。特定の染色法で何が染まるかだけでなく、「どのような試薬が用いられるか」という点に着目して学習することが重要です。
関連知識
銀染色一般の原理: 銀イオンが組織成分(特にアルデヒド基や還元性物質)に結合し、その後還元剤によって金属銀として沈着することで黒色に発色する。プロテイン銀 (Protargol): 銀イオンをアルブミンなどのタンパク質と結合させた複合体。神経線維染色に用いられることが多い。メセナミン銀 (Methenamine silver): ヘキサミン(ヘキサメチレンテトラミン)と硝酸銀の複合体。PAM染色、Grocott染色に用いられ、多糖類や基底膜、真菌を染める。硝酸銀 (Silver nitrate): 一般的な銀イオン源。Kossa反応、Grimelius染色などで使用される。