関節液中にピロリン酸カルシウム結晶が認められるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
偽痛風は、ピロリン酸カルシウム二水和物(CPPD)結晶が関節軟骨や滑膜に沈着し、急性または慢性の関節炎を引き起こす疾患です。関節液検査でこれらの結晶を確認することが診断に不可欠です。
選択肢ごとの解説
- 1. 痛風では、尿酸ナトリウム結晶(monosodium urate, MSU結晶)が関節液中に認められます。ピロリン酸カルシウム結晶ではありません。正しくは:尿酸ナトリウム結晶が検出される、と修正されます。選びやすい理由:痛風も関節炎を引き起こす結晶性関節炎の一つであり、偽痛風と症状が似ているため、混同しやすいです。混同注意:偽痛風(ピロリン酸カルシウム結晶)と痛風(尿酸ナトリウム結晶)は、どちらも結晶性関節炎であり、原因となる結晶の種類を混同しやすいです。
- 2. 正解。偽痛風(CPPD沈着症)は、関節液中にピロリン酸カルシウム(calcium pyrophosphate dihydrate, CPPD)結晶が沈着することで関節炎を引き起こす疾患です。これが本問題の正解です。
- 3. 化膿性関節炎は細菌感染によって引き起こされる関節炎であり、関節液中には多数の好中球や細菌が認められます。結晶は通常検出されません。正しくは:関節液中に細菌や白血球(特に好中球)が認められる、と修正されます。選びやすい理由:急性の関節炎である点は共通しますが、原因が全く異なるため、鑑別が必要です。混同注意:他の非感染性関節炎と異なり、感染を原因とするため、関節液所見が大きく異なります。
- 4. 変形性関節症は、関節軟骨の摩耗や変性によって生じる疾患であり、関節液検査では炎症反応は比較的軽度で、結晶は通常認められません。稀に軟骨由来の断片などが見られることはありますが、ピロリン酸カルシウム結晶は主要な所見ではありません。正しくは:関節液中に特徴的な結晶は認められず、炎症反応は軽度である、と修正されます。選びやすい理由:加齢に伴う関節痛の一般的な原因であり、ピロリン酸カルシウム沈着症が変形性関節症と合併したり、臨床像が似たりすることがあるため、混同しやすいかもしれません。しかし、結晶そのものが原因ではありません。混同注意:結晶性関節炎とは異なり、変性疾患であるため、関節液の細胞成分や結晶の有無が異なります。
- 5. 関節リウマチは自己免疫疾患であり、関節液中には好中球の増加や免疫複合体などが認められますが、ピロリン酸カルシウム結晶は通常検出されません。正しくは:関節液中に免疫複合体や好中球の増加が認められる、と修正されます。選びやすい理由:慢性的な関節炎の代表的な疾患であり、偽痛風も炎症を伴うため、一般的な関節炎として連想しやすいです。混同注意:結晶性関節炎ではなく、自己免疫疾患であるため、関節液中の主要な病理学的所見が異なります。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、関節液の基本的な検査項目と、代表的な関節疾患(痛風、偽痛風、化膿性関節炎、関節リウマチなど)における特徴的な関節液所見(細胞数、細胞の種類、結晶の有無と種類、細菌の有無など)を正確に理解しているかが頻繁に問われます。特に、結晶性関節炎の原因となる結晶の種類は重要です。
混同注意
痛風(尿酸ナトリウム結晶)と偽痛風(ピロリン酸カルシウム結晶)の鑑別。どちらも結晶性関節炎であるため、原因結晶の種類を正確に覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が問われたら、単に結晶の名前だけでなく、その結晶が持つ偏光顕微鏡下での特徴(形状、複屈折の性質など)や、関連する他の関節液所見(細胞数、白血球分画、粘稠度など)と絡めて問われる可能性が高いです。また、画像診断や血液検査の結果と組み合わせて、総合的な鑑別診断能力を問う問題形式も想定されます。
関連知識
痛風:尿酸ナトリウム結晶(針状、陰性複屈折)偽痛風:ピロリン酸カルシウム結晶(菱形、陽性複屈折)化膿性関節炎:細菌、多数の好中球関節リウマチ:多数の白血球(好中球優位)、リウマチ因子、抗CCP抗体変形性関節症:炎症所見は軽度、結晶は通常なし結晶の偏光顕微鏡所見(形状、複屈折性)も重要です。