細胞内小器官で糖鎖の付加を行うのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ゴルジ装置は、小胞体で合成されたタンパク質や脂質を受け取り、それらに対し糖鎖のさらなる修飾(特にN-結合型糖鎖の最終修飾とO-結合型糖鎖の新規合成・付加)を主要な機能として行います。これは、タンパク質の機能発現や細胞表面での認識に不可欠なプロセスです。
選択肢ごとの解説
- 1. 核は細胞の遺伝情報を格納し、DNAの複製や転写を司る細胞内小器官であり、糖鎖の付加には関与しません。正しくは:核の主要な機能は遺伝情報の保持と発現、すなわちDNAの複製やRNAの合成(転写)です。選びやすい理由:細胞の中心に位置し、生命活動の根幹を担う重要な小器官であるため、何らかの代謝機能があると誤解しやすいかもしれません。混同注意:粗面小胞体と隣接し、リボソームが結合しているため、タンパク質合成の初期段階と混同する可能性がありますが、糖鎖付加は直接の機能ではありません。
- 2. 中心体は細胞分裂の際に紡錘体を形成するなど、微小管の形成と細胞の骨格に関わる小器官であり、糖鎖の付加には関与しません。正しくは:中心体の主要な機能は微小管形成中心(MTOC)として細胞分裂時の紡錘体形成や細胞内輸送に関わることです。選びやすい理由:細胞の構造や運動に関わるため、特定の生体分子の加工にも関わると想像するかもしれませんが、糖鎖付加とは異なります。混同注意:細胞骨格や細胞の形を維持する他の構造と役割が混同されることがありますが、特定の分子修飾を行う場所ではありません。
- 3. 正解。ゴルジ装置は、小胞体で合成されたタンパク質や脂質を受け取り、それらに糖鎖のさらなる修飾(付加、切断、再構築)を施す主要な役割を担っています。特にN-結合型糖鎖の最終的な修飾や、O-結合型糖鎖の新規合成と付加が行われます。
- 4. リソソームは細胞内の不要な物質や老廃物を分解する消化器官であり、糖鎖の付加ではなく、むしろ糖鎖を含む複合分子の分解を主な機能とします。正しくは:リソソームの主要な機能は、細胞内外から取り込まれた物質や老朽化した細胞小器官を酸性加水分解酵素によって分解することです。選びやすい理由:細胞内での物質代謝に深く関わるため、糖鎖の生成や加工にも関わると誤解しやすいかもしれませんが、その機能は対極にあります。混同注意:ペルオキシソーム(解毒作用)やプロテアソーム(タンパク質分解)など、他の分解系の小器官と混同しやすいかもしれません。
- 5. ミトコンドリアは細胞のエネルギー源であるATPを産生する「細胞の発電所」であり、糖鎖の付加には直接関与しません。エネルギー代謝が主な機能です。正しくは:ミトコンドリアの主要な機能は、クエン酸回路や電子伝達系を通じて、ブドウ糖や脂肪酸からATPを効率的に産生することです。選びやすい理由:生命活動に不可欠なエネルギーを供給する非常に重要な小器官であるため、多様な生化学反応に関与すると考えがちですが、糖鎖付加は専門外です。混同注意:代謝に関わる他の小器官(例えば滑面小胞体での脂質合成)と機能的な役割を混同する可能性がありますが、糖鎖付加の場ではありません。
国試ポイント
細胞内小器官のそれぞれの主要な機能、特に分泌経路に関わる小器官(小胞体、ゴルジ装置、リソソームなど)の連携と機能分担は、臨床検査技師国家試験において頻出のテーマです。糖鎖修飾の場所と種類は特に重要視されます。
混同注意
粗面小胞体もN-結合型糖鎖の最初の付加を行うため、ゴルジ装置との機能分担を混同しやすいです。しかし、粗面小胞体ではオリゴ糖がタンパク質に一括で転移されるのに対し、ゴルジ装置ではその後の多様な修飾やO-結合型糖鎖の新規合成が行われます。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出題された場合、各細胞内小器官の「主要な機能」とその「相互連携」に注目しましょう。特に、タンパク質の合成、修飾、輸送、分解のどの段階にどの小器官が関与しているのか、具体的な反応と共に理解することが重要です。
関連知識
粗面小胞体:タンパク質合成、N-結合型糖鎖の初回付加。滑面小胞体:脂質合成、カルシウム貯蔵、薬物代謝。リソソーム:酸性加水分解酵素による物質分解。ミトコンドリア:ATP産生(細胞呼吸)。核:遺伝情報の保持と発現。中心体:微小管形成、細胞分裂。