グリコーゲンを貯蔵する主な組織はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
体内でグリコーゲンを主に貯蔵する組織は肝臓と骨格筋です。肝臓グリコーゲンは血糖値の維持のために全身にグルコースを供給しますが、骨格筋グリコーゲンは主に筋肉自身の活動エネルギーとして利用されます。量的に見ると、骨格筋は体重の約40%を占めるため、全体として最も多くのグリコーゲンを貯蔵します。この問題では「主な組織」を問われているため、骨格筋が正答となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 脳は主に血液中のグルコースをエネルギー源として直接利用し、グリコーゲンの貯蔵量は非常に限定的です。正しくは:脳はグルコースを主要なエネルギー源とし、グリコーゲンはごく少量しか貯蔵しない。選びやすい理由:脳は多くのエネルギーを消費するため、貯蔵量も多いと誤解しやすい。混同注意:脳はグルコースを大量に消費しますが、グリコーゲンを貯蔵するのではなく、血液からの供給に依存している点で混同されやすい。
- 2. 正解。骨格筋は体内で最も多量のグリコーゲンを貯蔵する組織の一つであり、貯蔵されたグリコーゲンは主に筋肉自身の活動のためのエネルギー源として利用されます。
- 3. 脂肪組織は主にトリグリセリド(中性脂肪)を長期的なエネルギー源として貯蔵しますが、グリコーゲンはほとんど貯蔵しません。正しくは:脂肪組織は中性脂肪を主なエネルギー貯蔵形態とするため、グリコーゲン貯蔵は微量である。選びやすい理由:脂肪組織もエネルギー貯蔵組織であるため、グリコーゲンも貯蔵していると誤解されやすい。混同注意:脂質とグリコーゲンは異なるエネルギー貯蔵形態であり、脂肪組織が貯蔵するのは脂質である点で混同されやすい。
- 4. 小腸は消化と栄養素の吸収を主に行う臓器であり、グリコーゲンを大規模に貯蔵する機能は持っていません。正しくは:小腸は栄養素の消化吸収が主な機能であり、グリコーゲンはほとんど貯蔵しない。選びやすい理由:栄養素の吸収が行われる場所であるため、エネルギー源の貯蔵も多いと考えるかもしれません。混同注意:グルコースの吸収とグリコーゲン貯蔵が混同されやすいが、吸収したグルコースは主に血流に乗って全身に運ばれる。
- 5. 腎臓は体液バランスの調整や老廃物の排泄を主に行う臓器であり、グリコーゲン貯蔵量はごくわずかです。正しくは:腎臓は老廃物の排泄や体液の恒常性維持が主な機能であり、グリコーゲン貯蔵量は限られている。選びやすい理由:重要な臓器であるため、ある程度のエネルギー貯蔵があると思われがちですが、主要な貯蔵部位ではありません。混同注意:腎臓で糖新生が行われることがあるため、グリコーゲン貯蔵機能もあると誤解されやすいが、主な貯蔵器官ではない。
国試ポイント
グリコーゲン代謝の基本的な知識が問われる問題です。特に、肝臓と筋肉がグリコーゲンの主要な貯蔵場所であること、そしてそれぞれの役割(肝臓は血糖維持、筋肉は自己のエネルギー源)を理解しているかが重要です。また、量的な観点から「主な」貯蔵組織がどこであるかを判断できる知識も求められます。
混同注意
肝臓もグリコーゲンの重要な貯蔵組織ですが、その機能は全身へのグルコース供給にあります。一方、骨格筋は貯蔵量が最も多く、その利用は局所的です。この機能の違いや、貯蔵量の絶対的な違いが混同されやすい点です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず「グリコーゲン貯蔵の主要な場所はどこか」という基本知識を確認します。次に、もし肝臓と筋肉が両方選択肢にある場合は「貯蔵量の絶対量」または「利用目的(全身供給か自己消費か)」に注目して判断します。
関連知識
グリコーゲン合成(グリコーゲンホスホリラーゼ、グリコーゲンシンターゼ)、グリコーゲン分解(グリコーゲンホスホリラーゼ、脱分岐酵素)、グルカゴンやインスリンによるグリコーゲン代謝の制御、糖新生との関連。肝臓と筋肉におけるグリコーゲンの利用目的の違い。