潰瘍性大腸炎で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
潰瘍性大腸炎の診断において、組織学的検査で陰窩膿瘍が認められることは非常に重要な特徴です。他の選択肢は、潰瘍性大腸炎の病変部位、合併症、発症年齢に関する誤った情報や、類似疾患の特徴が提示されています。
選択肢ごとの解説
- 1. 潰瘍性大腸炎は通常、直腸から始まり、連続的に上行結腸方向へ病変が広がるのが特徴であり、回盲部を主な病変部位とすることは稀です。正しくは:直腸から連続的に口側へ病変が広がるのが特徴である。選びやすい理由:炎症性腸疾患であるクローン病では回盲部に病変が多いという知識と混同しやすいです。混同注意:クローン病の病変分布と混同しやすい。
- 2. 潰瘍性大腸炎は、長期にわたる広範囲の炎症により大腸がんの合併リスクを高めますが、胃がんの合併リスクとの直接的な関連は一般的に認められていません。正しくは:大腸がんの合併頻度が高い。選びやすい理由:炎症性疾患が発がんリスクを高めるという一般的な認識から、がんの種類を誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:大腸がんと胃がんを混同しやすい。
- 3. 陰部潰瘍はベーチェット病に特徴的な症状であり、潰瘍性大腸炎の合併症としては一般的ではありません。正しくは:陰部潰瘍はベーチェット病に特徴的な所見である。選びやすい理由:炎症性腸疾患の腸管外合併症として皮膚病変があるため、具体的な症状を誤解しやすいです。混同注意:ベーチェット病の症状や、クローン病の肛門周囲病変(瘻孔、膿瘍など)と混同しやすい。
- 4. 潰瘍性大腸炎の発症は20~30代の若年層に最初のピークがあり、その後60代以降にも小さなピークが見られますが、圧倒的に高齢者のみに多いわけではありません。正しくは:若年者での発症が多い。選びやすい理由:一般的な慢性疾患の中には高齢者に多いものも存在するため、一概に高齢者疾患と結びつけがちです。混同注意:一般的な加齢に伴う疾患の発症傾向と混同しやすい。
- 5. 正解。潰瘍性大腸炎では、腺窩(陰窩)の内部に好中球が浸潤・貯留して膿瘍を形成する「陰窩膿瘍」が、診断に非常に特徴的な組織学的所見とされています。
国試ポイント
この問題は、潰瘍性大腸炎の主要な特徴(病変部位、合併症、疫学、組織学的所見)に関する正確な知識が問われています。特に、炎症性腸疾患であるクローン病やベーチェット病との鑑別点がポイントとなります。
混同注意
潰瘍性大腸炎とクローン病の病態、症状、合併症、組織学的特徴の違い。また、ベーチェット病の腸管型症状との鑑別も重要です。
次に同じ論点が出たら
次回、同じ論点が出題された場合、潰瘍性大腸炎とクローン病の鑑別診断に用いられる特徴(例:病変の連続性/非連続性、肉芽腫の有無、病変深度、肛門病変の有無)や、治療薬(5-ASA製剤、ステロイド、生物学的製剤)に関する知識が問われる可能性があります。
関連知識
潰瘍性大腸炎の病変は直腸から連続的に広がる、大腸がんのリスクが上昇する、主な腸管外合併症(原発性硬化性胆管炎、関節炎、結節性紅斑など)、pANCAが陽性となることがある。