末梢血検査で赤血球数200万/μL、ヘモグロビン濃度7.5 g/dL、ヘマトクリット値24.0%を認めた。原因の特定に有用な検査項目はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
提示された末梢血検査の結果(赤血球数200万/μL、ヘマトクリット値24.0%)から平均赤血球容積(MCV)を算出すると、24.0 ÷ 200 × 10 = 120 fL となり、基準値(80~100 fL程度)を大きく超えていることから、大球性貧血が強く疑われます。大球性貧血の主要な原因は、DNA合成に必要な葉酸またはビタミンB12の欠乏による巨赤芽球性貧血です。したがって、葉酸の測定は、この貧血の原因を特定する上で非常に有用な検査項目です。
選択肢ごとの解説
- 1. 鉛中毒は赤血球のヘム合成を阻害し、小球性低色素性貧血や鉄芽球性貧血を引き起こすことがありますが、提示された検査値から示唆される大球性貧血の直接的な原因物質ではありません。正しくは:小球性低色素性貧血や鉄芽球性貧血の原因を特定する際に考慮されることがあります。選びやすい理由:貧血の原因となる毒物として知識があるため、選択肢として魅力的に感じられるかもしれません。混同注意:鉄欠乏性貧血や遺伝性球状赤血球症など、他のタイプの貧血と混同しやすいです。
- 2. 正解。提示された検査値(赤血球数200万/μL、ヘマトクリット値24.0%)から平均赤血球容積(MCV)を計算すると、24.0 ÷ 200 × 10 = 120 fL となり、これは明らかに大球性貧血を示唆しています。葉酸欠乏はビタミンB12欠乏と同様にDNA合成を障害し、骨髄に巨赤芽球が出現する巨赤芽球性貧血(大球性貧血)の主要な原因であるため、原因特定に極めて有用です。
- 3. フェリチンは体内の貯蔵鉄量を反映する指標であり、鉄欠乏性貧血(通常は小球性低色素性貧血)の原因特定に非常に有用です。しかし、本症例で示唆される大球性貧血の原因を直接特定する項目ではありません。正しくは:鉄欠乏性貧血が疑われる場合に測定されます。選びやすい理由:貧血の鑑別によく用いられる基本的な検査項目であるため、選びやすいかもしれません。混同注意:鉄欠乏性貧血と巨赤芽球性貧血(大球性貧血)を混同しやすいです。
- 4. エリスロポエチンは腎臓から分泌され、赤血球の産生を促進するホルモンです。腎性貧血(エリスロポエチン産生低下)の原因特定に有用ですが、直接的に巨赤芽球性貧血(大球性貧血)の原因を特定するものではありません。貧血の程度に応じて一般的には上昇します。正しくは:腎性貧血の鑑別や治療効果のモニタリングに用いられます。選びやすい理由:貧血と関連するホルモンであるため、原因物質として選択肢に含めてしまうかもしれません。混同注意:腎性貧血と巨赤芽球性貧血(大球性貧血)を混同しやすいです。
- 5. セルロプラスミンは銅を含有するタンパク質であり、銅代謝異常(例えばウィルソン病やメンケス病)や銅欠乏性貧血の診断に用いられます。銅欠乏性貧血は通常、小球性貧血や鉄芽球性貧血の形態をとることが多く、本症例で示唆される大球性貧血の直接的な原因を特定する検査項目ではありません。正しくは:銅欠乏性貧血やウィルソン病の診断に用いられます。選びやすい理由:特定の微量元素の欠乏による貧血という点で、他の選択肢と似た印象を与えるかもしれません。混同注意:銅欠乏性貧血や他の特殊な貧血と、巨赤芽球性貧血(大球性貧血)を混同しやすいです。
国試ポイント
貧血の形態学的分類(小球性、正球性、大球性)を理解し、特にMCV値から大球性貧血を識別できるか、そしてその主要な原因(葉酸、ビタミンB12欠乏)に関連する検査項目を選択できるかが問われています。
混同注意
鉄欠乏性貧血(小球性低色素性)と巨赤芽球性貧血(大球性)の鑑別、またそれぞれの貧血の原因となる栄養素や物質(鉄、葉酸、ビタミンB12、鉛など)の関連性を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、まず与えられた検査値(赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値)からMCVを算出し、それが大球性貧血を示しているか正しく判断できるか。大球性貧血と判断できた場合、原因として葉酸とビタミンB12の欠乏を第一に想起できるかが重要となります。
関連知識
貧血の形態学的分類(MCV、MCH、MCHCの意義)、巨赤芽球性貧血の病態生理、葉酸とビタミンB12の代謝とDNA合成における役割、各微量元素(鉄、銅、鉛)が貧血に与える影響、エリスロポエチンの生理作用と腎性貧血。