真性赤血球増加症における検査項目とその結果の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
真性赤血球増加症は、JAK2遺伝子変異を特徴とする骨髄増殖性腫瘍の一つであり、赤血球系細胞だけでなく、白血球系、巨核球系細胞も異常に増加します。このため、赤血球数、白血球数、血小板数がいずれも高値を示すことが一般的です。NAPスコアは好中球のアルカリホスファターゼ活性を示し、真性赤血球増加症では高値または正常値を示します。これは慢性骨髄性白血病(CML)でNAPスコアが低値を示すこととの重要な鑑別点です。その他の選択肢は、LDH高値、赤血球数高値、血清ビタミンB12高値、血清エリスロポエチン低値が正しい所見であるため、誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. 真性赤血球増加症では細胞の代謝回転が亢進するため、細胞内酵素であるLDHが血液中に多く放出され、血清LD値は通常高値を示します。正しくは:血清LD値が高値選びやすい理由:LDHは一般的な細胞破壊マーカーであるため、漠然とLDHが関連するとは思うが、その値の方向を誤認する可能性があります。混同注意:肝疾患や溶血性貧血でもLDHは上昇するため、上昇すること自体は正しいですが、低値である点が誤りです。
- 2. 真性赤血球増加症は、その病名の通り、赤血球が異常に増加する疾患であり、赤血球数は高値を示します。正しくは:赤血球数が高い選びやすい理由:「貧血」のような一般的な血液疾患と混同し、漠然と「血液の異常」として低値を選ぶ可能性はあります。混同注意:赤血球増加症という病名から、赤血球数が高いことが明白であり、この選択肢は誤りであることが比較的わかりやすいです。
- 3. 正解。真性赤血球増加症では、好中球アルカリホスファターゼ(NAP)活性が高値を示すか、正常範囲内であることが多いです。これは慢性骨髄性白血病(CML)でNAPスコアが低値を示す点と鑑別する重要な所見です。
- 4. 真性赤血球増加症では好中球の増加に伴い、ビタミンB12結合蛋白であるトランスコバラミンIが増加するため、血清ビタミンB12値は高値を示すことが特徴的です。正しくは:血清ビタミンB12値が高値選びやすい理由:ビタミンB12が「欠乏」すると貧血になるという知識から、血液疾患全般でビタミンB12が関与するとの印象を持つが、高値を示す点がポイントです。混同注意:巨赤芽球性貧血でのビタミンB12欠乏と混同しやすいですが、PVではむしろ上昇します。
- 5. 真性赤血球増加症では、赤血球の産生がエリスロポエチンに依存しないため、過剰な赤血球がネガティブフィードバックをかけ、血清エリスロポエチン値は通常、低値または測定限界以下となります。高値の場合は二次性赤血球増加症を疑います。正しくは:血清エリスロポエチン(EPO)値が低い選びやすい理由:赤血球が増加しているのだから、それを促進するホルモンも高いはず、と誤解しやすいですが、PVではEPO非依存性に増殖するため、EPOは抑制されます。混同注意:二次性赤血球増加症(例: 腎疾患、慢性肺疾患などによる低酸素血症)と混同しやすいです。二次性ではEPOは高値です。
国試ポイント
真性赤血球増加症の典型的な検査所見(血液像、生化学検査、骨髄検査など)を正確に理解しているかが問われます。特に、類似疾患(慢性骨髄性白血病、二次性赤血球増加症など)との鑑別点が重要であり、NAPスコアや血清エリスロポエチン値はその代表的な鑑別項目です。
混同注意
慢性骨髄性白血病(CML)、二次性赤血球増加症。CMLはNAPスコアが低値、二次性赤血球増加症は血清EPOが高値という点で鑑別されます。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、真性赤血球増加症と二次性赤血球増加症の鑑別点(特にEPO値)、および他の骨髄増殖性腫瘍(CMLなど)との鑑別点(特にNAPスコアや遺伝子変異)に注目する。
関連知識
骨髄増殖性腫瘍(MPN)の分類、JAK2遺伝子変異、脾腫、赤血球増加症の病態生理(一次性・二次性)、各血球系細胞の分化と制御、血液細胞の代謝回転亢進による生化学的変化。