血中半減期が最も短いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
凝固因子の血中半減期はそれぞれ異なりますが、第VII因子は約3〜6時間と、主要な凝固因子の中で最も短い半減期を持っています。この短い半減期は、外因系凝固経路の開始因子として、生体内の凝固バランスを迅速に調整する上で重要な役割を果たしています。臨床的には、肝機能障害やビタミンK欠乏症において、半減期の短い第VII因子から最も早く影響を受け、プロトロンビン時間(PT)の延長として現れることが知られています。
選択肢ごとの解説
- 1. プロトロンビン(第II因子)の血中半減期は約60〜72時間(2〜3日)であり、提示された選択肢の中では比較的長い方です。正しくは:血中半減期が最も短い凝固因子は第VII因子です。選びやすい理由:凝固カスケードにおいて中心的な役割を果たす重要な因子であり、名称がよく知られているため、なんとなく選びたくなるかもしれません。混同注意:他のビタミンK依存性凝固因子(第VII, IX, X因子)と比較して、半減期の相対的な長さを混同する可能性があります。
- 2. 第V因子の血中半減期は約12〜36時間であり、第VII因子よりも長く、最も短いわけではありません。正しくは:血中半減期が最も短い凝固因子は第VII因子です。選びやすい理由:第V因子は活性型プロトロンビナーゼ複合体の構成要素であり、凝固反応の増幅に重要な役割を持つため、その重要性から誤って選んでしまうかもしれません。混同注意:各凝固因子の半減期はそれぞれ異なるため、特に短い因子として第VII因子を意識していない場合、他の因子と混同する可能性があります。
- 3. 正解。第VII因子の血中半減期は約3〜6時間と、提示された凝固因子の中で最も短いことが知られています。これは、外因系凝固経路の開始因子として、出血時に迅速に反応し、過剰な凝固を防ぐための重要な特性です。
- 4. 第IX因子の血中半減期は約18〜30時間であり、第VII因子よりも長く、最も短いわけではありません。血友病Bの原因因子として知られています。正しくは:血中半減期が最も短い凝固因子は第VII因子です。選びやすい理由:ビタミンK依存性凝固因子の一つであり、内因系凝固経路に重要な因子であるため、その名前をよく見かけることから選んでしまうかもしれません。混同注意:他のビタミンK依存性凝固因子(第II, VII, X因子)と半減期の長さを混同しやすいです。
- 5. 第X因子の血中半減期は約24〜48時間であり、第VII因子よりも長く、最も短いわけではありません。正しくは:血中半減期が最も短い凝固因子は第VII因子です。選びやすい理由:共通凝固経路の開始点に位置し、プロトロンビナーゼ複合体の形成に不可欠な因子であるため、その重要性から注意が向きやすいかもしれません。混同注意:他のビタミンK依存性凝固因子(第II, VII, IX因子)と半減期の長さを混同しやすいです。
国試ポイント
凝固因子の生合成部位、活性化経路(内因系、外因系、共通系)、およびそれぞれの血中半減期に関する知識は、臨床検査技師国家試験において頻出テーマです。特に、半減期の短い凝固因子は、肝機能障害やワーファリンなどの抗凝固薬の影響を最初に受けるため、その臨床的意義とともに問われることが多いです。
混同注意
凝固因子の番号と名称、関与する凝固経路(内因系、外因系、共通系)、ビタミンK依存性因子であるか否か、そしてそれぞれの具体的な半減期(特に長いものと短いもの)が混同されやすい点です。特に、ビタミンK依存性凝固因子(II, VII, IX, X)の半減期の相対的な長さを正確に覚えることが重要です。
次に同じ論点が出たら
この問題を通じて、各凝固因子の具体的な半減期の数値を覚えるだけでなく、なぜその半減期なのか(機能的な意義)、そして半減期が短い因子が臨床的にどのような影響を持つのか(例:肝機能障害時やワーファリン投与開始時におけるPT延長)まで深く理解しているかを確認しましょう。特に、ビタミンK依存性凝固因子の中で第VII因子が最も半減期が短いという知識を確実に押さえていることが重要です。
関連知識
凝固カスケード(内因系、外因系、共通系)の全体像、ビタミンK依存性凝固因子(第II、VII、IX、X因子)の特性、肝臓における凝固因子の産生、ワーファリンなどのビタミンK拮抗薬の作用機序、プロトロンビン時間(PT)および活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の測定原理と変動要因。