急性骨髄性白血病と慢性骨髄性白血病で異なるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
白血病裂孔は、急性白血病に特徴的な末梢血塗沫標本での所見であり、未熟な芽球と成熟した白血球のみが存在し、中間段階の細胞(前骨髄球、骨髄球、後骨髄球など)が著しく欠如している状態を指します。慢性骨髄性白血病では、これらの様々な成熟段階の細胞がすべて増加して出現するため、白血病裂孔は認められません。
選択肢ごとの解説
- 1. CD13は骨髄系細胞に発現するマーカーであり、急性骨髄性白血病の芽球や一部の慢性骨髄性白血病の細胞にも陽性となるため、両者の鑑別には有用ではありません。正しくは:CD13は骨髄系マーカーであり、両者で陽性となる可能性があるため鑑別にはならない。選びやすい理由:CD抗原が白血病の診断に用いられるため、鑑別点として誤って選択しやすい。混同注意:白血病の診断における他の特異的な表面抗原(例:CD34など)や、急性リンパ性白血病と骨髄性白血病の鑑別診断におけるCD抗原。
- 2. 正解。白血病裂孔は、急性白血病に特徴的な未熟な芽球と成熟白血球のみで、中間型の細胞が少ないという所見であり、慢性骨髄性白血病では様々な成熟段階の細胞が認められるため、両者を鑑別できます。選びやすい理由:白血病の重要な病態生理学的特徴の一つとして認識されているため。
- 3. 骨髄芽球の出現は、急性骨髄性白血病の診断基準(骨髄芽球比率20%以上)ですが、慢性骨髄性白血病でも移行期や急性転化期には増加するため、初期段階での明確な鑑別点とはなりません。正しくは:骨髄芽球は急性骨髄性白血病の診断基準の一つだが、慢性骨髄性白血病でも認められるため鑑別点として適切ではない。選びやすい理由:急性骨髄性白血病の主要な診断基準であるため、鑑別点として誤って選択しやすい。混同注意:急性骨髄性白血病の診断基準(骨髄芽球20%以上)と、慢性骨髄性白血病の急性転化。
- 4. 特定遺伝子の転座は、白血病のサブタイプ分類に用いられますが、急性骨髄性白血病と慢性骨髄性白血病の両方にそれぞれ異なる特徴的な転座(例:AMLではt(8;21), t(15;17)など、CMLではt(9;22) BCR-ABL)が存在するため、両者を分ける単一の転座というわけではありません。正しくは:特定遺伝子の転座は各白血病のサブタイプに特徴的であり、一概に両者の鑑別点とはならない(例: CMLのBCR-ABL転座とAMLのPML-RARA転座など)。選びやすい理由:白血病の診断において遺伝子転座が重要であるため、鑑別点として誤って選択しやすい。混同注意:フィラデルフィア染色体(BCR-ABL融合遺伝子)が慢性骨髄性白血病に特異的であること。
- 5. ペルオキシダーゼ染色は、骨髄系細胞を同定するための組織化学染色であり、急性骨髄性白血病の芽球の多くで陽性となりますが、慢性骨髄性白血病の成熟顆粒球でも陽性となるため、両者を鑑別する決定的な所見ではありません。正しくは:ペルオキシダーゼ染色は骨髄系細胞に陽性となるため、両者で陽性となる可能性がある。選びやすい理由:急性骨髄性白血病の診断における重要な組織化学染色であるため、鑑別点として誤って選択しやすい。混同注意:非特異的エステラーゼ染色が単球系白血病に用いられること。
国試ポイント
急性白血病と慢性白血病の鑑別診断における、末梢血塗抹標本の重要な所見(白血病裂孔)を理解すること。
混同注意
白血病裂孔は急性白血病に特徴的な所見であり、様々な成熟段階の細胞がみられる慢性白血病とは異なります。急性前骨髄球性白血病で見られるアウエル小体は、急性白血病の一部のタイプで見られる特徴ですが、白血病裂孔とは異なる概念です。
次に同じ論点が出たら
急性白血病と慢性白血病の鑑別診断の問題が出た場合、末梢血塗抹標本の所見(特に成熟段階の細胞の有無)に注目して判断する。
関連知識
慢性骨髄性白血病(CML)では、末梢血にすべての成熟段階の骨髄系細胞が増加し、好塩基球増多や骨髄線維化を伴うことがあります。また、CMLではBCR-ABL融合遺伝子が特徴的です。急性骨髄性白血病(AML)では、末梢血や骨髄に20%以上の芽球が出現することが診断基準の一つです。