EBウイルスで正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番
解説
EBウイルスはヘルペスウイルス科に属するDNAウイルスであり、主にB細胞に感染し潜伏します。これらの特徴はEBウイルスの基本的な生物学的性質であり、感染症の病態を理解する上で重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。EBウイルス(Epstein-Barr Virus)は、ヒトヘルペスウイルス4型(HHV-4)とも呼ばれ、ヘルペスウイルス科のγ-ヘルペスウイルス亜科に分類されます。これはEBウイルスの基本的な分類学上の特徴です。
- 2. 正解。EBウイルスは主にB細胞に感染し、体内で潜伏感染を確立します。このB細胞への潜伏が、持続感染や関連するリンパ増殖性疾患の発症の基盤となります。
- 3. EBNA (Epstein-Barr Nuclear Antigen) 抗体は、EBウイルスの潜伏感染が成立して数週間から数ヶ月後に陽性化します。初感染の急性期には通常陰性であり、VCA-IgM抗体やEA-D抗体などが急性期に陽性となります。正しくは:EBNA抗体は初感染後、数週〜数ヶ月経ってから陽性となる。選びやすい理由:抗体検査全体が感染の指標となるため、いずれかの抗体が初感染で陽性になるという認識から、EBNAも含まれると誤解しやすい。混同注意:VCA-IgM抗体など、初感染初期に陽性となる他のEBウイルス関連抗体。
- 4. 伝染性単核球症は、EBウイルスの初感染(一次感染)によって発症するのが一般的です。再活性化によって症状が出現することもありますが、一般的には免疫不全状態などで見られ、典型的には初感染で発症します。健常者での再活性化は無症状であることが多いです。正しくは:伝染性単核球症は、EBウイルスの初感染で発症する。選びやすい理由:ヘルペスウイルス科のウイルスは再活性化で症状を呈するものが多いため(例:HSVによる口唇ヘルペス、VZVによる帯状疱疹)、EBウイルスも同様に再活性化で典型的な疾患(伝染性単核球症)を発症すると誤解しやすい。混同注意:単純ヘルペスウイルス(HSV)や水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)など、再活性化により症状を呈する他のヘルペスウイルス感染症。
- 5. EBウイルス感染症の抗体検査には、蛍光抗体法(IFA)が標準的な方法として用いられ、VCA-IgM, VCA-IgG, EBNA抗体などの測定が行われます。ラテックス凝集反応は、Paul-Bunnell反応(異好抗体反応)のスクリーニング検査として用いられることがありますが、EBウイルス特異抗体の検出には感度・特異度が不足しており、直接的には用いられません。近年では、ELISA法なども広く普及しています。正しくは:EBウイルス感染症の抗体検査には、蛍光抗体法(IFA)やELISA法が用いられる。選びやすい理由:ラテックス凝集反応は他の感染症やリウマチ因子など、様々な検査で用いられる一般的な免疫学的検査法であるため、EBウイルス感染症の検査にも使われると推測しやすい。混同注意:異好抗体検査(Paul-Bunnell反応)のスクリーニングとしてのラテックス凝集反応、あるいは他の感染症診断に用いられるラテックス凝集反応。
国試ポイント
EBウイルスの基本的な生物学的特性、特に所属ウイルス科、感染細胞、潜伏部位、および関連疾患(伝染性単核球症)の病態生理について問われることが多い。抗体検査の解釈も重要。
混同注意
EBウイルスの初感染と再活性化の症状、抗体検査の時期と陽性パターン、他のヘルペスウイルスとの鑑別。
次に同じ論点が出たら
EBウイルスの感染経路、感染後の病態(伝染性単核球症の症状、合併症)、およびEBウイルス関連悪性腫瘍(バーキットリンパ腫、上咽頭癌など)に関する知識が問われる可能性があるため、これらのポイントを重点的に確認する。
関連知識
EBウイルスは伝染性単核球症の原因となるだけでなく、バーキットリンパ腫、上咽頭癌、NK/T細胞リンパ腫、移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)など様々な悪性腫瘍の発症にも関与します。診断には抗体検査が用いられ、VCA、EBNA、EAなどの各抗体の組み合わせで感染時期や状態を判断します。