免疫比濁法で誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
選択肢3の「サイトカインなどの微量成分の定量に適している」は誤りです。免疫比濁法は、抗原抗体反応で生じる凝集塊の濁度変化を透過光で測定する方法であり、CRPやIgGなどの比較的高濃度なタンパク質の測定には適していますが、血中濃度が非常に低いサイトカインなどの微量成分の測定には感度が不足しています。微量成分の測定には、化学発光免疫測定法(CLIA)やELISAなどのより高感度な免疫測定法が用いられます。
選択肢ごとの解説
- 1. 免疫比濁法は、抗原抗体反応によって生じる凝集塊の濁りを、溶液を透過する光の減衰として捉え、その透過光の強度を測定することで抗原量を定量します。濁りが強ければ強いほど透過光は弱まります。
- 2. 透過光の強度変化を測定する比濁法は、吸光度と物質濃度が比例するというランベルト・ベールの法則に原理的に従います。ただし、粒子濃度が高すぎると散乱光の影響が大きくなり、法則から逸脱することがあります。
- 3. 正解。免疫比濁法は、抗原抗体反応による濁度変化を検出するため、比較的濃度が高いタンパク質(例:CRP、IgGなど)の測定には適していますが、血中濃度が非常に低いサイトカインなどの微量成分の測定には感度が不足しています。正しくは:サイトカインなどの微量成分の定量には適していない、または、化学発光免疫測定法など高感度の測定法が適している。選びやすい理由:免疫測定法の一種であるため、多くの免疫関連物質を測定できると誤解しやすいかもしれません。また、サイトカインも免疫系の重要な因子であるため、関連性があるように感じる可能性があります。混同注意:化学発光免疫測定法(CLIA)やELISAといった、より高い感度を持つ免疫測定法と混同することがあります。
- 4. 地帯現象とは、抗体または抗原のいずれか一方が極端に過剰な場合に、適切な抗原抗体複合体が形成されにくく、濁りが十分に生じないため、実際の値よりも低い偽低値を示す現象です。免疫比濁法で特に注意すべき点の一つです。
- 5. 免疫比濁法は光の透過・散乱を検出するのに対し、化学発光免疫測定法は酵素反応による発光を検出するため、一般的に化学発光免疫測定法の方がはるかに高い感度を持っています。比濁法は高感度を必要としない検査項目に用いられます。
国試ポイント
免疫測定法の原理とそれぞれの測定法の感度、適用範囲について問われることが多い。特に、比濁法・比ろう法、ELISA、化学発光免疫測定法の比較や、地帯現象などの測定上の注意点が重要です。
混同注意
免疫比濁法と免疫比ろう法(測定原理が似ているが検出角度が異なる)、他の免疫測定法(ELISA、化学発光免疫測定法など)との感度や適用範囲、そして各測定法の具体的な適用例。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、免疫比濁法で測定される具体的な検査項目(例:CRP, IgG, IgM, IgA, C3, C4など)を問う問題や、地帯現象の具体的な対策方法、または免疫比濁法と他の測定法(例:免疫比ろう法)との違いについて問われる可能性があります。
関連知識
免疫測定法の種類(比濁法、比ろう法、RIA、ELISA、CLIAなど)、それぞれの原理、検出方法、感度、測定対象物質。ランベルト・ベールの法則。抗原抗体反応における地帯現象(プロゾーン現象、ポストゾーン現象)の発生機序と対策。