腟トリコモナス症で誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
腟トリコモナスは、嚢子を形成しない原虫です。常に栄養型として存在し、その運動性(鞭毛)を特徴とします。そのため、検体から嚢子が検出されるという記述は誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. 腟トリコモナスは女性の尿道や膀胱にも感染し、男性では尿道に寄生するため、尿中に排出されることがあり、尿沈渣検査で虫体として検出されることがあります。
- 2. 腟トリコモナスは嚢子を形成せず、栄養型のみで存在します。主に性行為による直接的な接触感染(性的接触)で伝播します。
- 3. 正解。腟トリコモナスは、他のいくつかの原虫(例:赤痢アメーバ)とは異なり、耐久性のある嚢子(シスト)を形成しません。常に活動的な栄養型(トロフォゾイト)として存在し、増殖します。したがって、腟分泌物から嚢子が検出されることはありません。正しくは:「腟分泌物から栄養型が検出されることがあります。」選びやすい理由:他の寄生虫では嚢子が感染源となるものがあるため、その知識と混同しやすい可能性があります。混同注意:赤痢アメーバなど、嚢子を形成しそれが感染源となる他の原虫感染症の知識と混同しやすいです。
- 4. 腟トリコモナス症は性感染症であり、パートナーが無症状でも保菌している可能性が高いため、再感染を防ぐために両者を同時に治療することが非常に重要です。
- 5. 腟トリコモナスの形態学的診断には、塗抹標本を作成しギムザ染色を行うことで観察が可能です。生食液直接鏡検(ウェットマウント)による運動性の確認がより一般的ですが、染色標本も診断の一助となります。
国試ポイント
腟トリコモナス症に関する基本的な知識、特にその生活環(嚢子を形成しないこと)、感染経路、診断方法(ウェットマウント、染色法)、および治療の原則(パートナー治療の重要性)が国家試験で頻繁に問われます。他の原虫との形態や生活環の違いを理解しているかが重要です。
混同注意
嚢子を形成する他の原虫(例:赤痢アメーバ、ランブル鞭毛虫)と混同しやすいです。また、細菌性腟症やカンジダ腟炎など、他の腟炎の原因と鑑別する知識も重要になります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、腟トリコモナスの形態的特徴(洋ナシ型、鞭毛の数、波動膜の有無)や、具体的な診断方法(培養法の培地名、NAATの原理)、治療薬の種類(メトロニダゾールなど)について問われる可能性があります。
関連知識
腟トリコモナスの診断では、生食液直接鏡検による活発な運動性の観察が最も迅速で有用です。培養法や核酸増幅法(NAAT)も診断に用いられます。症状としては、帯下の増加、悪臭、外陰部の掻痒感などがあります。