感染症と原因微生物の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
類鼻疽は熱帯・亜熱帯地域に分布する細菌感染症であり、その原因菌は土壌や水中に生息するBurkholderia pseudomalleiです。この組み合わせは唯一正しいものです。他の選択肢は、感染症と原因微生物の組み合わせが誤っています。例えば、オウム病はChlamydia psittaci、放線菌症はActinomyces属細菌、ライム病はBorrelia burgdorferi、ネコひっかき病はBartonella henselaeがそれぞれ正しい病原体です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。類鼻疽(Melioidosis)は、熱帯・亜熱帯地域で見られる細菌感染症で、その原因菌は土壌や水中に生息するBurkholderia pseudomalleiです。この組み合わせは正しいです。
- 2. オウム病の原因菌はChlamydia psittaci(クラミジア・シッタシ)です。Bacillus anthracis(バチルス・アントラシス)は炭疽(anthrax)の原因菌です。正しくは:オウム病の原因はChlamydia psittaciであり、Bacillus anthracisは炭疽の原因菌である。選びやすい理由:どちらも重篤な感染症を引き起こす細菌ですが、全く異なる種類の病原体であるため、知識が曖昧だと混同しやすいです。混同注意:Chlamydia psittaci(オウム病の原因菌)や、他の動物由来感染症の病原体と混同される可能性があります。
- 3. 放線菌症の原因菌はActinomyces属細菌(主にActinomyces israelii)です。Bartonella henselae(バルトネラ・ヘンセラエ)はネコひっかき病の原因菌です。正しくは:放線菌症の原因はActinomyces属細菌であり、Bartonella henselaeはネコひっかき病の原因菌である。選びやすい理由:どちらも慢性的な化膿性病変を形成することがあり、臨床像の一部が重なるため、知識が不確かな場合に誤って選択する可能性があります。混同注意:Actinomyces属細菌(放線菌症の原因菌)や、ネコひっかき病の原因菌であるBartonella henselaeと混同される可能性があります。
- 4. ライム病の原因菌はBorrelia burgdorferi(ボレリア・ブルグドルフェリ)というスピロヘータで、ダニ媒介性感染症です。Chlamydia psittaciはオウム病の原因菌です。正しくは:ライム病の原因はBorrelia burgdorferiであり、Chlamydia psittaciはオウム病の原因菌である。選びやすい理由:どちらも比較的まれな細菌感染症であり、病原体の名称が覚えにくいことから、誤った組み合わせを選んでしまうことがあります。混同注意:Borrelia burgdorferi(ライム病の原因菌)や、他のダニ媒介性疾患の病原体と混同される可能性があります。
- 5. ネコひっかき病の原因菌はBartonella henselaeです。Rickettsia japonica(リケッチア・ジャポニカ)は日本紅斑熱の原因菌です。正しくは:ネコひっかき病の原因はBartonella henselaeであり、Rickettsia japonicaは日本紅斑熱の原因菌である。選びやすい理由:どちらも動物(ネコやダニ)が関連する感染症であるため、媒介動物や病原体の種類を混同しやすい可能性があります。混同注意:Bartonella henselae(ネコひっかき病の原因菌)や、他のリケッチア症(つつが虫病、発疹チフスなど)の病原体と混同される可能性があります。
国試ポイント
感染症学における、主要な感染症とその原因微生物の正確な知識が問われています。特に、比較的まれな感染症や、類似した名称を持つ病原体、あるいは共通の媒介動物を持つ疾患など、混同しやすい知識を正確に区別できるかが重要となります。本問では、各選択肢の病原体がどの疾患と関連が深いかを知っている必要があります。
混同注意
感染症と病原体の組み合わせは多岐にわたり、名前の響きや媒介動物が似ている場合、特に混同しやすいです。例えば、リケッチア症とボレリア症、クラミジアによる疾患、バルトネラによる疾患などは、それぞれ異なる病原体群であるため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、主要な感染症について「原因微生物」「感染経路」「主な臨床症状」「検査診断法」「治療薬」をセットで覚えているかを確認しましょう。特に、熱帯・亜熱帯地域に特徴的な感染症や、日本国内で問題となる人獣共通感染症は頻出です。また、グラム陰性桿菌、グラム陽性桿菌、スピロヘータ、リケッチアなど、病原体の基本的な分類も重要です。
関連知識
人獣共通感染症の一覧とその原因微生物、グラム染色性や形態などの細菌学的特徴、各感染症の疫学(地理的分布、媒介動物など)、主要な非定型菌による感染症について理解しておくことが重要です。