血液培養にて検出された菌のGram染色所見(別冊No. 15A)とヒツジ血液寒天培地の集落(別冊No. 15B)を別に示す。本菌はCAMPテストおよび馬尿酸塩加水分解試験が陽性であった。考えられるのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Listeria monocytogenesは、グラム陽性短桿菌で、CAMPテスト陽性、馬尿酸塩加水分解試験陽性という特徴的な生化学的性状を示します。血液培養で検出され、グラム染色と培地所見、そして与えられた生化学的性状が全てListeria monocytogenesの同定ポイントと合致します。
選択肢ごとの解説
- 1. Bacillus cereusはGram陽性桿菌ですが、CAMPテストは陰性であり、馬尿酸塩加水分解試験も陰性です。また、この菌は溶血性を示しますが、本問題で示されるグラム染色像や生化学的性状とは一致しません。正しくは:Gram陽性桿菌でありながらCAMPテストと馬尿酸塩加水分解試験が陽性である菌種に置き換える必要があります。選びやすい理由:Gram陽性桿菌という点で混同する可能性がありますが、生化学的性状が大きく異なります。混同注意:グラム染色で桿菌であるという点では合致しますが、そのほかの生化学的性状が異なります。
- 2. Clostridium perfringensはGram陽性桿菌ですが、嫌気性菌であり、CAMPテストは陰性です。馬尿酸塩加水分解試験も通常陰性です。血液寒天培地では二重溶血環(ターゲット溶血)を示す特徴がありますが、本問題の生化学的性状とは異なります。正しくは:Gram陽性桿菌でありながらCAMPテストと馬尿酸塩加水分解試験が陽性である菌種に置き換える必要があります。選びやすい理由:Gram陽性桿菌という点で混同する可能性がありますが、嫌気性菌である点や生化学的性状が大きく異なります。混同注意:グラム染色で桿菌であるという点では合致しますが、嫌気性菌である点やそのほかの生化学的性状が異なります。
- 3. Enterococcus faecalisはGram陽性球菌であり、CAMPテストは陰性です。馬尿酸塩加水分解試験も陰性です。連鎖状に配列する球菌である点で、本問題で示されるグラム染色像の桿菌とは異なります。正しくは:Gram陽性桿菌でありながらCAMPテストと馬尿酸塩加水分解試験が陽性である菌種に置き換える必要があります。選びやすい理由:グラム陽性菌である点や、腸球菌として一部のブロス培地で生育しやすい点で混同する可能性がありますが、形状も生化学的性状も異なります。混同注意:グラム陽性菌である点は共通ですが、球菌と桿菌という点で異なります。
- 4. 正解。Listeria monocytogenesはGram陽性桿菌であり、CAMPテスト陽性、馬尿酸塩加水分解試験陽性という特徴を持ちます。グラム染色所見(短い桿菌)とヒツジ血液寒天培地での弱いβ溶血、さらに示された生化学的特徴が完全に一致します。
- 5. Streptococcus agalactiae(B群レンサ球菌)はGram陽性球菌であり、CAMPテストは陽性ですが、馬尿酸塩加水分解試験は陰性です。また、球菌であるため、本問題で示されるグラム染色像の桿菌とは異なります。正しくは:Gram陽性桿菌でありながらCAMPテストと馬尿酸塩加水分解試験が陽性である菌種に置き換える必要があります。選びやすい理由:CAMPテスト陽性という点で非常に紛らわしいですが、グラム染色での形態(球菌であること)と馬尿酸塩加水分解試験の陰性で鑑別できます。混同注意:CAMPテスト陽性である点でListeria monocytogenesと混同しやすいですが、グラム染色の形態(球菌 vs 桿菌)と馬尿酸塩加水分解試験の結果で明確に区別できます。
国試ポイント
本問題は、グラム染色所見、培養所見(溶血性)、そして特定の生化学的試験(CAMPテスト、馬尿酸塩加水分解試験)の結果を総合して、正確に菌種を同定できるかを問う問題です。特に、Listeria monocytogenesとStreptococcus agalactiae(B群レンサ球菌)のように、CAMPテストが陽性であるものの、形態や他の生化学的性状で鑑別する知識が求められます。
混同注意
CAMPテスト陽性菌であるStreptococcus agalactiae(B群レンサ球菌)とListeria monocytogenesは非常に混同しやすいです。これらを鑑別するためには、グラム染色の形態(球菌か桿菌か)と、馬尿酸塩加水分解試験の結果を明確に覚えておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、グラム染色の形態(球菌か桿菌か、配列など)、溶血性、特定の生化学的試験(CAMPテスト、カタラーゼテスト、コアグラーゼテスト、馬尿酸塩加水分解試験など)の組み合わせで鑑別できる菌種を重点的に確認する必要があります。特に、似たような性状を持つ菌種間の鑑別ポイントを整理することが重要です。
関連知識
Listeria monocytogenesは、食品媒介性の人獣共通感染症の原因菌として重要です。特に妊婦や免疫不全者では重症化しやすく、敗血症や髄膜炎を引き起こすことがあります。冷蔵庫で保存された食品でも増殖可能なサイクロフィリック菌であることも特徴です。Streptococcus agalactiaeは新生児敗血症や髄膜炎の主要な原因菌です。