標識免疫測定法で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
均一系免疫測定法は、B/F分離の工程なしに抗原抗体反応を測定できるため、特にハプテン(低分子化合物)のような分析物に対して、迅速かつ簡便な測定が可能です。例えば、酵素免疫測定法(EMIT)や蛍光偏光免疫測定法(FPIA)などがこれに該当し、治療薬物モニタリング(TDM)や薬物乱用スクリーニングで広く利用されています。
選択肢ごとの解説
- 1. 化学発光免疫測定法は、化学反応によって生成される光(発光)を測定します。散乱光を測定するものではありません。正しくは:化学発光免疫測定法は、化学反応によって放出される光(発光)を測定する。選びやすい理由:「光」という言葉が含まれるため、光を測定する点では共通しているように見えるが、その生成メカニズム(発光か散乱光か)が異なる。混同注意:散乱光は、濁度測定法やネフェロメトリーなどで測定される原理であり、化学発光とは異なります。
- 2. 不均一系免疫測定法は、固相(例:マイクロプレートやビーズ)を利用して抗原抗体複合体を固定し、未反応の標識物質を洗浄して除去する(B/F分離)工程が必須です。正しくは:不均一系免疫測定法では、B/F分離の操作が必要である。選びやすい理由:「均一系測定法はB/F分離が不要」という知識と混同し、不均一系も不要だと誤解する可能性がある。混同注意:均一系免疫測定法(例:EMIT)はB/F分離が不要ですが、不均一系免疫測定法(例:ELISA、RIA)はB/F分離が必要です。
- 3. 正解。均一系免疫測定法は、B/F分離の工程なしに抗原抗体反応を検出できるため、迅速かつ簡便な測定が可能です。特に酵素免疫測定法(EMIT)や蛍光偏光免疫測定法(FPIA)などは、分子量の小さいハプテン(薬物、ホルモンなど)の測定に広く用いられます。
- 4. 蛍光免疫測定法は、蛍光物質に特定の波長の励起光を照射することで生じる、蛍光物質からの発光(蛍光)の強度を測定します。励起光そのものの強度を測定するわけではありません。正しくは:蛍光免疫測定法は、蛍光物質から放出される蛍光の強度を測定原理とする。選びやすい理由:励起光が測定のプロセスに不可欠であるため、測定対象と誤解しやすい。混同注意:励起光(照射する光)と蛍光(放出される光)は異なるものであり、測定対象は後者です。
- 5. 生物発光免疫測定法は、ホタルルシフェラーゼなどの生物由来の酵素が触媒する反応によって光を生成する原理を利用します。ルテニウム錯体は、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)で用いられる標識物質です。正しくは:電気化学発光免疫測定法にはルテニウム錯体が標識物質として用いられる、あるいは生物発光免疫測定法にはルシフェラーゼなどが標識物質として用いられる。選びやすい理由:「発光」という共通の用語があるため、異なる発光原理の測定法(生物発光と電気化学発光)の標識物質が混同されやすい。混同注意:生物発光免疫測定法と電気化学発光免疫測定法(ECLIA)の標識物質が混同されています。
国試ポイント
標識免疫測定法の各手法(化学発光、蛍光、生物発光、電気化学発光、酵素免疫など)の基本的な原理、測定対象、標識物質、および不均一系と均一系の違い(特にB/F分離の有無と適応)を正確に理解しているかが問われている。特に、測定法の名前とそれが利用する標識物質や測定原理の組み合わせの正誤が頻出である。
混同注意
標識免疫測定法における「発光(化学発光、生物発光、電気化学発光)」と「蛍光」の区別、およびそれぞれの標識物質や測定原理の混同。「均一系」と「不均一系」の違い、特にB/F分離の要否の混同。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、各標識免疫測定法について「原理(何を測定するか)」「標識物質の種類」「B/F分離の要否」「主な適応対象(高分子か低分子か、定量か定性か)」を網羅的に確認する。特に各測定法に特徴的な標識物質や、均一系・不均一系の具体的な手法名を問う問題に注意する。
関連知識
免疫測定法の分類(RIA, EIA, FIA, CLIA, ECLIAなど)、標識物質の種類(酵素、蛍光物質、発光物質、放射性同位体など)、B/F分離の必要性とそのメカニズム、ハプテンとその測定法の特性、治療薬物モニタリング(TDM)。