抗原提示細胞はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
樹状細胞は主要な抗原提示細胞(APC)の一つであり、病原体由来の抗原を取り込み、MHCクラスIおよびクラスII分子を介してナイーブT細胞に提示することで、特異的な細胞性免疫応答や液性免疫応答の開始を誘導します。特にナイーブT細胞の活性化には必須の役割を担っています。
選択肢ごとの解説
- 1. 好酸球は寄生虫感染やアレルギー反応に関与する白血球ですが、T細胞に抗原を提示する主要な細胞ではありません。正しくは:好酸球は寄生虫やアレルギー反応の免疫応答において、顆粒を放出して病原体を攻撃する細胞である。選びやすい理由:免疫系の細胞であるため、免疫応答全般に関与すると考えがち。混同注意:白血球の他の種類、特に食細胞系の細胞やリンパ球系の細胞との役割の区別。好中球やマクロファージなどの他の食細胞との役割の混同。
- 2. NK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、MHCクラスI分子の発現が低下した細胞やウイルス感染細胞、腫瘍細胞などを直接傷害するリンパ球ですが、T細胞に抗原を提示する役割は持ちません。正しくは:NK細胞は、ウイルス感染細胞や腫瘍細胞を非特異的に攻撃する自然免疫系のリンパ球である。選びやすい理由:リンパ球の一種であり、免疫応答の重要な役割を担うため。混同注意:T細胞やB細胞といった獲得免疫系のリンパ球との役割の混同。特に細胞傷害性T細胞の役割。
- 3. 正解。樹状細胞は最も強力な抗原提示細胞(APC)であり、異物を取り込み、MHCクラスIおよびクラスII分子を介してT細胞に抗原を提示し、T細胞の活性化を誘導します。選びやすい理由:正しい選択肢であるため、他の選択肢と迷うことは少ない。混同注意:マクロファージやB細胞も抗原提示細胞であるが、樹状細胞は特にナイーブT細胞の活性化に優れる点で区別される。
- 4. 肥満細胞はアレルギー反応においてヒスタミンなどを放出し、血管透過性の亢進や平滑筋収縮などを引き起こす細胞ですが、T細胞に抗原を提示する主要な役割は持ちません。正しくは:肥満細胞はIgE抗体と結合し、アレルゲンに曝露されるとヒスタミンなどを放出してアレルギー反応を引き起こす細胞である。選びやすい理由:免疫系の細胞であり、アレルギー反応など特定の免疫応答において重要な役割を担うため。混同注意:好塩基球や好酸球など、アレルギー反応に関わる他の細胞。
- 5. ヘルパーT細胞(CD4陽性T細胞)は、抗原提示細胞から抗原提示を受け、活性化されることでB細胞や細胞傷害性T細胞、マクロファージなどの他の免疫細胞の活性化を助ける役割を持ちますが、自らがT細胞に抗原を提示するわけではありません。正しくは:ヘルパーT細胞は抗原提示細胞から抗原提示を受け、他の免疫細胞(B細胞、キラーT細胞など)の機能発揮を助ける細胞である。選びやすい理由:T細胞の一種であり、免疫応答の中心的な役割を担うため。他の免疫細胞の「ヘルパー」であることから、相互作用があることは認識されやすい。混同注意:抗原提示細胞(APC)とT細胞の役割の順序や関係性。ヘルパーT細胞が他の免疫細胞を活性化する役割と、自らが抗原提示する役割の混同。
国試ポイント
抗原提示細胞(APC)の種類とT細胞活性化における役割を覚える。特に樹状細胞、マクロファージ、B細胞が主要なAPCであることを理解する。
混同注意
T細胞に直接抗原を提示する細胞と、免疫反応に関与する他の白血球細胞(NK細胞、好酸球、肥満細胞など)との役割を混同しやすい。また、抗体産生に関わるB細胞の役割とも区別する。
次に同じ論点が出たら
T細胞への抗原提示が問われた場合は、樹状細胞、マクロファージ、B細胞の中から選択し、特にナイーブT細胞の活性化には樹状細胞が最も効率的であることを念頭に置く。
関連知識
主要な抗原提示細胞(樹状細胞、マクロファージ、B細胞)がそれぞれどのような状況で、どのようなT細胞に抗原を提示するのか、MHCクラスIとMHCクラスIIの違い、およびCD4陽性T細胞(ヘルパーT細胞)とCD8陽性T細胞(細胞傷害性T細胞)の役割について理解を深める。サイトカインによる免疫応答の調節も関連知識。