労災保険〈労働者災害補償保険〉で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
労災保険は、労働者が業務中または通勤中に負傷したり疾病にかかったり、あるいはそれによって障害が残ったり死亡した場合に、労働者や遺族に対して必要な保険給付を行う制度です。選択肢5は、その中心的な目的と機能を示しています。業務上の事由による障害は、労災保険の給付対象となる明確なケースです。
選択肢ごとの解説
- 1. 労災保険の保険料は、事業主(会社)が全額負担することが法律で定められています。労働者自身が保険料を支払うことはありません。正しくは:保険料は事業主が全額負担する。選びやすい理由:健康保険や厚生年金保険では労働者も保険料の一部を負担するため、他の社会保険と混同して選びやすいです。混同注意:健康保険、厚生年金保険
- 2. 労災保険は、業務中の災害(業務災害)だけでなく、通勤途中に発生した災害(通勤災害)も補償の対象としています。通勤経路を逸脱・中断した場合を除き、補償が受けられます。正しくは:通勤中の負傷も補償の対象となる。選びやすい理由:「業務上の」という言葉から、通勤は業務外であると誤解し、補償されないと思い込んでしまう可能性があります。混同注意:業務災害と通勤災害の範囲
- 3. 労災保険は、雇用形態(正社員、パートタイム、アルバイト、派遣社員など)に関わらず、事業主に雇用されているすべての労働者が適用対象となります。したがって、パートタイム労働者も給付の対象です。正しくは:パートタイム労働者も給付対象となる。選びやすい理由:健康保険や厚生年金保険の場合、短時間労働者には加入要件があるため、労災保険も同様に適用されないと思い込みやすいです。混同注意:健康保険や厚生年金保険の加入要件(特に短時間労働者の場合)
- 4. 労災保険の給付(療養補償給付)は、業務上または通勤による傷病の治療に対して、基本的に自己負担なしで全額が支給されます。一般的な健康保険診療とは異なり、自己負担割合はありません。正しくは:治療費の自己負担はない。選びやすい理由:一般的な健康保険を利用する場合の自己負担割合(3割)と混同し、労災保険でも同様に自己負担があると考えてしまうことがあります。混同注意:健康保険における療養の給付
- 5. 正解。労災保険の最も主要な目的の一つは、労働者が業務上の事由により障害を負った際に、その損失を補償することです。障害補償給付や傷病補償年金などがこれに該当します。
国試ポイント
労災保険の基本的な適用範囲、保険料の負担者、給付内容(特に自己負担の有無)、および対象となる災害の種類(業務災害と通勤災害)について正確な知識が問われています。他の社会保険制度(健康保険、厚生年金保険)との違いを理解しているかが重要です。
混同注意
他の社会保険制度(健康保険、厚生年金保険)の仕組み、特に保険料負担や給付内容、適用対象者と混同しやすいです。また、「業務上」という言葉の解釈や、通勤災害の範囲についても誤解が生じやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
労災保険の具体的な給付の種類と、それぞれの給付がどのような状況で適用されるか(例:療養補償給付と療養の給付の違い、休業補償の計算方法など)に注目して学習してください。また、労災保険と他の社会保険との法的根拠の違い(労働基準法 vs 社会保険各法)も理解すると、より深く知識が定着します。
関連知識
労災保険は、労働基準法に基づく災害補償制度をより手厚く補完する役割を持っています。給付には、療養補償給付、休業補償給付、障害補償給付、遺族補償給付、傷病補償年金などがあります。保険料は全額事業主負担であり、原則としてすべての事業場の労働者が対象となります。