ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉の標的分子はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、宿主細胞への侵入に際し、標的細胞の表面に存在するCD4分子を主要なレセプターとして利用します。主にCD4陽性Tリンパ球、マクロファージ、樹状細胞が感染の標的となります。
選択肢ごとの解説
- 1. CD1は、抗原提示細胞(APC)や一部のT細胞に発現し、脂質抗原を提示する分子です。HIVの主要な標的分子ではありません。正しくは:HIVの主要な標的分子はCD4です。選びやすい理由:CD抗原は免疫細胞に関する分子が多いため、名称から混同しやすいかもしれません。混同注意:CD4、CD8などの他のCD分子と混同しやすいです。
- 2. 正解。HIVは、主にCD4陽性Tリンパ球やマクロファージ、樹状細胞などの表面に存在するCD4分子を主要なレセプターとして利用し、細胞に侵入します。この結合が感染プロセスの第一段階です。
- 3. CD8は細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の表面に発現する分子で、MHCクラスI分子と結合します。HIVはCD8陽性T細胞を直接の主要な標的とはしません。正しくは:HIVの主要な標的分子はCD4です。選びやすい理由:T細胞の主要なサブセットであるため、選択肢として魅力的かもしれません。混同注意:CD4とCD8はT細胞の代表的な表面抗原であるため、混同しやすいです。
- 4. CD20はBリンパ球の表面に特異的に発現する分子であり、HIVの主要な標的分子ではありません。正しくは:HIVの主要な標的分子はCD4です。選びやすい理由:免疫細胞に広く分布するCD抗原の一つであるため、知識の曖昧さから選ばれる可能性があります。混同注意:他の免疫細胞表面マーカーと混同しやすいです。
- 5. CD34は造血幹細胞や前駆細胞、血管内皮細胞に発現する分子であり、HIVの主要な標的分子ではありません。正しくは:HIVの主要な標的分子はCD4です。選びやすい理由:幹細胞マーカーとして有名であるため、知識のある学生が誤って選ぶ可能性があります。混同注意:他の免疫細胞や幹細胞の表面マーカーと混同しやすいです。
国試ポイント
HIVの感染メカニズムにおける主要な標的分子、特にCD4の役割について正確な知識が問われています。免疫学における主要な細胞表面マーカーとその機能を理解しているかが重要です。
混同注意
免疫細胞の他のCDマーカー(CD8、CD19、CD20など)と、その機能や発現細胞種を混同しやすいです。特にT細胞の主要なマーカーであるCD4とCD8の区別は重要です。
次に同じ論点が出たら
今後HIVに関する問題が出た場合、主要な標的細胞の種類(CD4陽性T細胞、マクロファージ、樹状細胞)、補助受容体の種類(CCR5、CXCR4)、HIVによる細胞傷害の機序(アポトーシス、直接細胞傷害など)に注目して学習することが重要です。
関連知識
HIVの感染プロセス(吸着、侵入、逆転写、プロウイルス組み込み、転写、翻訳、出芽)、補助受容体(ケモカイン受容体CCR5やCXCR4)の役割、HIVによる免疫不全のメカニズム(CD4陽性T細胞の減少)。