肝細胞癌の腫瘍マーカーはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
肝細胞癌の腫瘍マーカーとして最も広く用いられ、診断と経過観察に有用なのはAFP(α-フェトプロテイン)とPIVKA-Ⅱ(Protein Induced by Vitamin K Absence or antagonist-Ⅱ)です。これらは単独または組み合わせて使用されることが多いです。PSAは前立腺癌、CEAは主に大腸癌や胃癌、肺癌など、CA19-9は主に膵癌や胆道癌のマーカーであり、肝細胞癌の特異的な診断マーカーではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. PSAは前立腺癌の腫瘍マーカーです。正しくは:PSAは前立腺癌の腫瘍マーカーである。選びやすい理由:一般的な腫瘍マーカーとして知られているため、肝細胞癌でも関連があるのではと誤解しやすい。混同注意:他の消化器系腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)との区別。
- 2. CEAは主に大腸癌、胃癌、肺癌などの消化器系癌で上昇する腫瘍マーカーです。肝細胞癌の特異的なマーカーではありません。正しくは:CEAは主に大腸癌、胃癌、肺癌などの腫瘍マーカーである。選びやすい理由:消化器系の癌であるため、肝臓癌とも関連があるように思える。混同注意:消化器系の他の腫瘍マーカー(CA19-9)や、一般的なスクリーニングで用いられる腫瘍マーカーと混同しやすい。
- 3. 正解。AFP(α-フェトプロテイン)は肝細胞癌の最も主要かつ古典的な腫瘍マーカーの一つです。胎児期の肝臓で産生されるタンパク質であり、肝細胞癌で再発現します。
- 4. CA19-9は主に膵癌、胆道癌、大腸癌などで上昇する腫瘍マーカーです。肝細胞癌の特異的なマーカーではありません。正しくは:CA19-9は主に膵癌、胆道癌、大腸癌の腫瘍マーカーである。選びやすい理由:肝臓に近い臓器の癌(膵臓、胆道)のマーカーであるため、肝細胞癌でも関連があるように思える。混同注意:他の消化器系腫瘍マーカー(CEA)や、肝臓関連の疾患で上昇する他のマーカーと混同しやすい。
- 5. 正解。PIVKA-Ⅱ(Protein Induced by Vitamin K Absence or antagonist-Ⅱ)は、ビタミンK欠乏または拮抗作用によって誘導されるタンパク質で、肝細胞癌のもう一つの重要な腫瘍マーカーです。特にビタミンKの欠乏状態やその拮抗薬投与時に上昇し、肝細胞癌での診断・経過観察に利用されます。
国試ポイント
この問題は、主要な癌種とその代表的な腫瘍マーカーの組み合わせを正確に覚えているかを問うものです。特に肝細胞癌の二大マーカーであるAFPとPIVKA-Ⅱは頻出知識です。
混同注意
肝細胞癌以外の消化器系癌(大腸癌、胃癌、膵癌、胆道癌)の腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)と混同しやすい。また、一般的なスクリーニングでよく見かける腫瘍マーカーと、特定の癌種に特異的なマーカーの区別が曖昧になりやすい。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出た場合、主要な癌種(消化器系、泌尿器系、婦人科系など)ごとに、代表的な腫瘍マーカーとその特異性を確認すること。特に複数のマーカーが関連する癌種(例: 肝細胞癌)については、それぞれがどのような特性を持つかまで理解を深める必要がある。
関連知識
・AFP: 肝細胞癌、卵黄嚢腫瘍、胎児性癌。妊娠中も上昇。 ・PIVKA-Ⅱ: 肝細胞癌。 ・PSA: 前立腺癌。 ・CEA: 大腸癌、胃癌、肺癌、膵癌、胆道癌、乳癌など(非特異的)。 ・CA19-9: 膵癌、胆道癌、大腸癌、胃癌、卵巣癌など(非特異的)。