加温が必要な染色法はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
Wirtz法(芽胞染色)とZiehl-Neelsen染色(抗酸菌染色)は、それぞれ芽胞壁や抗酸菌の細胞壁が非常に強固なため、染色液の浸透を促す目的で加熱操作が必須となります。他の染色法は通常、染色工程で加熱を必要としません。
選択肢ごとの解説
- 1. 墨汁法は、カプセルを持つ微生物(例: クリプトコッカス)を周囲の墨汁で染まらない透明なハローとして観察するための陰性染色法です。加熱操作は通常行いません。正しくは:墨汁法は加熱不要な染色法です。選びやすい理由:染色法の一つであるため、他の加熱を要する染色法と混同しやすいかもしれません。混同注意:グラム染色など、加熱固定を伴う一般的な細菌染色法と混同しやすいです。
- 2. 正解。Wirtz法(Wirtz-Conklin変法)は、芽胞染色法の一つであり、芽胞壁の透過性を高めるために媒染剤(マラカイトグリーン)と加熱(蒸気加熱)を併用します。これにより、芽胞を緑色に染色します。
- 3. Neisser染色は、ジフテリア菌の異染性顆粒(Volutin顆粒)を染め分けるための染色法です。染色液(Neisser A液、B液、C液)に浸すのみで、加熱操作は不要です。正しくは:Neisser染色は加熱不要な染色法です。選びやすい理由:特定の菌の特定の構造を染め分けるため、特殊な操作が必要そうだと誤解される可能性があります。混同注意:抗酸菌染色(Ziehl-Neelsen染色)など、特定の構造を染めるために加熱を必要とする染色法と混同しやすいです。
- 4. 正解。Ziehl-Neelsen染色は、抗酸菌(例: 結核菌)の細胞壁に含まれるミコール酸によって色素が脱色されにくい性質を利用した染色法です。初染(石炭酸フクシン)時に加熱(蒸気加熱)することで、色素の透過性を高め、ミコール酸との結合を促進します。
- 5. Gram染色は、細菌をグラム陽性菌とグラム陰性菌に分類する最も基本的な染色法です。通常、標本固定のための加熱は行いますが、染色液の浸透性を高めるための加熱操作は行いません。Huckerの変法も同様です。正しくは:グラム染色は、標本固定のための加熱は行いますが、染色工程での加熱は不要です。選びやすい理由:標本固定のための加熱と、染色液の浸透性を高めるための加熱を混同しやすいです。また、最も一般的な細菌染色法であるため、深く考えずに選びやすいかもしれません。混同注意:抗酸菌染色や芽胞染色のように、染色液と同時に加熱する操作と混同しやすいです。
国試ポイント
微生物学検査における主要な染色法の原理と操作、特に加熱を必要とする理由について問われています。各染色法の特徴的な操作を正確に理解しているかが試されます。
混同注意
標本固定のための加熱と、染色液の浸透を促すための加熱の違い。特殊染色における加熱の必要性の有無。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出た場合、各染色法の『特異的な前処理や操作(加熱、媒染剤、脱色、過染など)』に注目して判断する。特に細胞壁の構造や目的とする菌の特徴と結びつけて覚える。
関連知識
芽胞の構造と耐熱性、抗酸菌の細胞壁組成(ミコール酸)、グラム染色の原理、陰性染色の原理、異染性顆粒の染色性。