健常人の心内圧において、拡張期と収縮期の差が最も大きいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
左心室は全身へ血液を駆出するために、収縮期には最も高い圧力を発生させます。一方で、拡張期には血液充満のために弛緩し、圧力が大きく低下します。このため、収縮期と拡張期の圧力差が心臓内で最も大きくなります。大動脈では、弾性収縮により拡張期にも比較的高い圧力が保たれるため、左心室ほど大きな圧力差は見られません。
選択肢ごとの解説
- 1. 右心房は体循環から戻る血液を受け入れる部位であり、その圧力は比較的低く、拡張期と収縮期の差も小さいです。正しくは:右心房の圧力差は通常2~8 mmHg程度と小さい。選びやすい理由:心臓の部屋であるため、大きな圧力変化があると考えてしまうかもしれない。混同注意:左室や右室のような高圧部位と混同しやすい。
- 2. 右心室は肺循環に血液を送り出すため、ある程度の圧力を発生させますが、全身に送る左心室に比べると、その圧力は低く、拡張期と収縮期の差も左心室ほど大きくありません。正しくは:右心室の収縮期圧は通常15~30 mmHg、拡張期圧は0~8 mmHgで、差は約20~25 mmHg程度。選びやすい理由:肺動脈への駆出圧として大きな圧力を想像しやすい。混同注意:左心室の圧力との相対的な差を理解していないと間違いやすい。
- 3. 左心房は肺循環から酸素化された血液を受け入れる部位であり、その圧力は比較的低く、拡張期と収縮期の差も小さいです。正しくは:左心房の圧力差は通常2~12 mmHg程度と小さい。選びやすい理由:左心系であるため、高圧なイメージがあるかもしれない。混同注意:左心室の圧力変化と混同しやすい。
- 4. 正解。左心室は全身に血液を送り出すため、収縮期には最も高い圧力を発生させ、拡張期には弛緩して圧力が大幅に低下します。このため、拡張期と収縮期の圧力差が心臓内で最も大きくなります。通常、収縮期圧は100~140 mmHg、拡張期圧は4~12 mmHg程度であり、その差は約100~130 mmHgに達します。
- 5. 大動脈は左心室から血液を受け取る動脈ですが、弁が閉じることで拡張期にも一定の圧力が保たれるため(拡張期圧)、拡張期と収縮期の圧力差(脈圧)は左心室のそれに比べて小さいです。大動脈の収縮期圧は左心室の最大収縮期圧とほぼ同じですが、拡張期圧は左心室の拡張期圧よりもはるかに高いです。正しくは:大動脈の収縮期圧は100~140 mmHg、拡張期圧は60~90 mmHgで、差は約40~50 mmHg程度。選びやすい理由:全身に血液を供給する血管として、非常に大きな圧力変化があると考えてしまうかもしれない。混同注意:左心室と大動脈の圧力波形の違い、特に拡張期の圧力について誤解しやすい。
国試ポイント
心臓の各部位における生理的な圧力(収縮期圧、拡張期圧)の知識と、それらの関係性、特に圧力差の大小を理解しているかを問う問題です。左心室が大動脈よりも大きな圧力差を持つ点が重要です。
混同注意
左心室と大動脈の圧力波形、特に拡張期の圧力が混同されやすいです。大動脈は動脈の弾性により拡張期にも圧が保たれる(拡張期圧)のに対し、左心室は拡張期には大きく圧が低下します。
次に同じ論点が出たら
今後も心臓の各部位の圧力、特に拡張期圧と収縮期圧の具体的な数値、およびそれらの差が問われる可能性が高いです。また、心臓弁膜症など病態時の圧力変化に関する問題も予想されます。
関連知識
心周期における心内圧の変化、動脈圧の測定(収縮期圧、拡張期圧、脈圧)、心臓のポンプ機能と各部屋・血管の役割。