心電図(別冊No. 2)を別に示す。正しいのはどれか。2つ選べ。

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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
心電図上、P波が消失し、基線が不規則な小刻みなF波(f波)で揺れている。RR間隔も完全に不規則で、QRS波形は幅が狭く、正常であることが確認できる。これは心房細動の典型的な所見である。また、V1誘導でRSR'型パターンを示し、V6誘導で幅広いS波が認められるため、完全右脚ブロックの診断が可能である。
選択肢ごとの解説
- 1. 心電図上、P波は消失しているが、洞停止はP波の後にQRS波が続かないか、P波の出現自体が停止する病態である。本心電図ではP波の代わりに不規則なF波が存在し、QRS波は続いているため、洞停止ではない。正しくは:P波の消失とRR間隔の不規則性から心房細動と判断すべきである。選びやすい理由:P波が見られないため、洞結節の機能不全を疑う可能性があるから。混同注意:洞不全症候群や洞徐脈
- 2. 心室頻拍では、QRS波形が広幅(0.12秒以上)で、RR間隔が規則的またはやや不規則な頻拍を示す。本心電図では、QRS波形は幅が狭く(0.12秒未満)、心室頻拍の所見とは異なる。正しくは:QRS波形が広幅でなく、心室頻拍ではない。P波の消失と不規則なRR間隔から心房細動と判断すべきである。選びやすい理由:不整脈であるため、頻拍性の不整脈と混同しやすいから。混同注意:心室性期外収縮、上室性頻拍
- 3. 正解。P波が消失し、基線に不規則な細動波(f波)が認められる。RR間隔は完全に不規則である。これらの所見は心房細動に特徴的である。混同注意:心房粗動(規則的なF波とノコギリ波形)
- 4. 洞不整脈は、P波の形態は正常で、P-R間隔も一定であるものの、呼吸に伴ってRR間隔が変動する(吸気時に短縮、呼気時に延長)生理的な不整脈である。本心電図ではP波が消失しており、RR間隔の変動も洞不整脈のパターンではない。正しくは:P波の消失とRR間隔の不規則性から心房細動と判断すべきである。選びやすい理由:RR間隔が不規則であるため、不整脈全般と混同しやすいから。混同注意:洞性不整脈、期外収縮
- 5. 正解。V1誘導でR波とS波の間にR'波が見られるRSR'型パターン(M字型QRS波形)を呈し、QRS幅が0.12秒以上(3小マス以上)である。また、V6誘導で幅の広いS波が認められる。これらは完全右脚ブロックの診断基準を満たす。混同注意:完全左脚ブロック(V1で幅広く深いS波、V5/V6で幅広くR波とノッチ)
国試ポイント
心房細動と完全右脚ブロックの心電図所見を正確に識別できるか。
混同注意
心房細動と心房粗動、洞不整脈、心室頻拍との区別。右脚ブロックと左脚ブロックの区別。
次に同じ論点が出たら
P波の有無、RR間隔の規則性、QRS幅、V1・V6誘導のQRS波形に着目して判断する。
関連知識
心房細動の合併症として脳塞栓症、心不全。完全右脚ブロックの多くは無症状であるが、心疾患の合併にも注意が必要。