PML-RARA融合遺伝子がみられるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
PML-RARA融合遺伝子は、急性前骨髄球性白血病(APL、AML-M3)に特異的な遺伝子異常であり、染色体転座t(15;17)の結果として形成されます。この融合遺伝子によって産生される異常タンパク質が、レチノイン酸受容体の機能を阻害し、前骨髄球の分化成熟障害を引き起こします。PML-RARA融合遺伝子の検出はAPLの確定診断に不可欠であり、治療としてオールトランス型レチノイン酸(ATRA)が非常に有効であることと関連しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 急性赤白血病(M6)には、PML-RARA融合遺伝子は通常見られません。赤芽球系の増殖を特徴とします。正しくは:急性赤白血病で特異的な遺伝子異常は一般的ではありませんが、特定のサブタイプで一部の遺伝子異常が報告されることがあります(例: TP53変異など)。選びやすい理由:急性白血病の一種であるため、他の選択肢と同様に遺伝子異常を持つ可能性があると考えるかもしれませんが、PML-RARAは特定の白血病に特異的です。混同注意:他の急性骨髄性白血病(AML)の分類と混同しやすい。
- 2. 急性単球性白血病(M5)には、PML-RARA融合遺伝子は通常見られません。単球系の異常な増殖を特徴とします。正しくは:急性単球性白血病では、t(9;11)によるMLL-AF9融合遺伝子などが報告されることがあります。選びやすい理由:AMLの主要な分類の一つであるため、PML-RARAが関連すると誤解する可能性があります。混同注意:急性骨髄性白血病の異なるサブタイプと混同しやすい。
- 3. 急性巨核芽球性白血病(M7)には、PML-RARA融合遺伝子は通常見られません。巨核芽球系の増殖を特徴とします。正しくは:急性巨核芽球性白血病では、Down症候群との関連が深く、GATA1変異などが知られています。選びやすい理由:他の急性白血病と同様に、特定の遺伝子異常があるのではないかと考えがちです。混同注意:急性骨髄性白血病の珍しいサブタイプと混同しやすい。
- 4. 急性骨髄単球性白血病(M4)には、PML-RARA融合遺伝子は通常見られません。骨髄球系と単球系の両方の未熟細胞の増殖を特徴とします。正しくは:急性骨髄単球性白血病では、t(16;16)によるCBFB-MYH11融合遺伝子やinv(16)などが報告されることがあります。選びやすい理由:最も一般的なAMLの形態の一つであり、遺伝子異常が多く報告されているため、PML-RARAも含まれると考えるかもしれません。混同注意:AMLの主要な分類と、PML-RARA融合遺伝子を持つM3を混同しやすい。
- 5. 正解。PML-RARA融合遺伝子は、急性前骨髄球性白血病(APL、AML-M3)に特異的な遺伝子異常です。これは染色体転座t(15;17)によって生じ、レチノイン酸受容体の機能異常を引き起こします。この融合遺伝子の検出は、APLの診断と治療選択(レチノイン酸誘導体治療)に不可欠です。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、特定の疾患に特異的な遺伝子異常、特に白血病の診断・分類・治療選択に関わるものが頻繁に出題されます。PML-RARA融合遺伝子はAPLに強く関連するため、その知識は必須です。
混同注意
PML-RARAは急性骨髄性白血病(AML)の他のサブタイプ(M1, M2, M4, M5など)に見られる遺伝子異常と混同されやすいですが、PML-RARAはM3(APL)に非常に特異的であることを理解することが重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、PML-RARA融合遺伝子以外の主要な白血病関連遺伝子異常(例: BCR-ABL1, CBFB-MYH11, RUNX1-RUNX1T1など)とその関連疾患を問う問題が予想されます。また、それらの遺伝子異常がどのような機序で病態を引き起こすか、あるいはどのような治療に結びつくか、といった応用的な知識も問われる可能性があります。
関連知識
染色体転座t(15;17)、レチノイン酸受容体α (RARA)、PML遺伝子、オールトランス型レチノイン酸 (ATRA) 療法、急性前骨髄球性白血病の形態学的特徴(アウエル小体多数、両葉性核)、DICの合併。