慢性骨髄性白血病に特徴的な所見はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
慢性骨髄性白血病(CML)では、好中球アルカリホスファターゼ(NAP)スコアが著しく低下することが特徴的な所見です。これはCML細胞の機能的な異常を反映しており、類白血病反応(NAPスコア上昇)との鑑別にも用いられます。他の選択肢は、それぞれ急性白血病や骨髄異形成症候群など、別の血液疾患に特徴的な所見です。
選択肢ごとの解説
- 1. PAS染色は急性リンパ性白血病(ALL)のリンパ芽球や、赤白血病の赤芽球で陽性となることがありますが、CMLの特徴的な所見ではありません。正しくは:PAS染色は急性リンパ性白血病(ALL)や赤白血病で陽性となることがある。選びやすい理由:染色検査全般の知識が曖昧だと、他の白血病の特徴と混同して選んでしまう可能性がある。混同注意:急性リンパ性白血病(ALL)のPAS染色陽性
- 2. 環状鉄芽球の増加は、骨髄異形成症候群(MDS)の一種である環状鉄芽球性貧血や、特定の遺伝性疾患、薬剤性などで見られる所見であり、CMLの特徴ではありません。正しくは:環状鉄芽球の増加は、骨髄異形成症候群(MDS)の環状鉄芽球性貧血で認められる。選びやすい理由:鉄代謝異常に関連する血液疾患として、知識が混乱しやすい。混同注意:骨髄異形成症候群(MDS)の環状鉄芽球性貧血
- 3. CMLでは顆粒球系の細胞が増加しており、これらの細胞はペルオキシダーゼ染色で陽性を示します。陰性であるのは、急性リンパ性白血病(ALL)のリンパ芽球などです。正しくは:ペルオキシダーゼ染色は陽性を示す。選びやすい理由:急性白血病との鑑別点でペルオキシダーゼ染色の知識は重要だが、陽性・陰性の適用を誤ると選びやすい。混同注意:急性リンパ性白血病(ALL)のペルオキシダーゼ染色陰性
- 4. 非特異的エステラーゼ染色は単球系の細胞で陽性となる染色です。CMLでは顆粒球系細胞の増加が主であり、単球系細胞の著しい増加が特徴ではありません。単球系白血病や骨髄単球性白血病で強く陽性となります。正しくは:非特異的エステラーゼ染色は単球系細胞で陽性となる。選びやすい理由:顆粒球系と単球系の染色の区別が曖昧な場合に選びやすい。混同注意:急性単球性白血病(AML-M5)の非特異的エステラーゼ染色陽性
- 5. 正解。慢性骨髄性白血病(CML)では、成熟した好中球の好中球アルカリホスファターゼ(NAP)活性が著しく低下または陰性となることが非常に特徴的です。これは、CML細胞の機能異常を反映しています。選びやすい理由:ALP活性の低下は他の疾患でも見られるため、CMLの特異性を見落とすと不安になるかもしれないが、CMLでは著しい低下が特徴。混同注意:類白血病反応でのNAP活性上昇
国試ポイント
慢性骨髄性白血病(CML)の診断における特徴的な検査所見、特にNAP活性の変動が問われています。他の血液疾患の診断マーカーとの鑑別も重要です。
混同注意
NAP活性が上昇する類白血病反応との鑑別。白血病の種類と各染色法(PAS、ペルオキシダーゼ、非特異的エステラーゼ)の陽性・陰性パターン。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、NAP活性が上昇する疾患(感染症、類白血病反応、骨髄線維症など)や、Ph染色体(BCR-ABL融合遺伝子)の有無、末梢血・骨髄像での顆粒球系細胞の分化段階と割合が問われる可能性がある。また、チロシンキナーゼ阻害薬の効果判定や副作用についても知識が求められるかもしれない。
関連知識
慢性骨髄性白血病(CML)の病態生理(Ph染色体、BCR-ABL融合遺伝子)、末梢血像(顆粒球系細胞の左方移動)、骨髄像、他の染色法(特異的エステラーゼなど)、遺伝子検査。