心電図(別冊No. 2)を別に示す。アーチファクトを除去するための適切な方法はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
心電図の基線が粗動している(ノイズが多い)のは、外部からの交流電流が誘導されている可能性が高いアーチファクトであるため、電気機器の電源プラグを抜くことでノイズ源を遮断し、アーチファクトを取り除くことが可能です。これは主に電源コードから漏れる電磁波が心電計に影響を与えるために起こります。
選択肢ごとの解説
- 1. 枕の高さ調整は、患者の体位が原因で生じる体動によるアーチファクトや、呼吸性変動によるアーチファクトには有効な場合があるが、本症例の心電図に見られるような規則的な細かい粗動(交流障害)には効果がない。正しくは:患者の体位を楽にし、体動や呼吸性変動を抑制する。選びやすい理由:患者の体位がアーチファクトの原因となることは多いため、一般的な対処法として考えやすい。混同注意:体動によるアーチファクトや呼吸性変動によるアーチファクト。
- 2. 一時的な呼吸停止は、呼吸性変動によるアーチファクト(基線の上下動)には有効であるが、心電図に見られる規則的な細かい粗動(交流障害)には効果がない。正しくは:呼吸性変動による基線の大きな揺れが見られる場合に試みる。選びやすい理由:呼吸が心電図に影響を与えることが知られているため、対処法として思いつきやすい。混同注意:呼吸性変動によるアーチファクト。
- 3. 両手首の皮膚の汗を拭き取ることは、電極と皮膚の接触不良によるアーチファクトや、接触抵抗の増大によるノイズには有効であるが、本症例の心電図に見られる規則的な細かい粗動(交流障害)には効果がない。正しくは:電極接触不良や発汗によるインピーダンス増加が疑われる場合に、電極装着部位の皮膚の状態を確認し、適切に処置する。選びやすい理由:発汗は電極の接触抵抗を増加させ、アーチファクトの原因となる一般的な要因であるため。混同注意:電極接触不良や発汗によるアーチファクト。
- 4. 患者に精神的なゆとりを持つように促すことは、患者の緊張や不安による筋電図の混入(不規則な細かい波形)には有効であるが、本症例の心電図に見られる規則的な細かい粗動(交流障害)には効果がない。正しくは:患者の不安や緊張が原因で筋電図アーチファクトが疑われる場合に、リラックスを促す。選びやすい理由:患者の精神状態が検査結果に影響を与えることはよくあるため、これも一般的な対処法として考えやすい。混同注意:筋電図アーチファクト。
- 5. 正解。心電図に見られる規則的で細かい基線の粗動は、主に交流障害によるアーチファクトである。これは周囲の電気機器から発生する電磁波が心電計に誘導されることで生じるため、最も有効な対処法はノイズ源である電気機器の電源プラグを抜くことである。選びやすい理由:心電図検査中に周囲の電気機器がノイズ源となることは知られているため、原因と対処法が結びつきやすい。混同注意:特定のアーチファクトの形状と原因との関連性が明確なため、混同しにくい。
国試ポイント
心電図のアーチファクトの種類と、その原因に応じた適切な対処法を理解しているか。
混同注意
体動による基線の揺れ(不規則な太い揺れ)と、交流障害による基線の粗動(細かい規則的な揺れ)は混同しやすい。画像では規則的な粗動が見られるため交流障害と判断する。
次に同じ論点が出たら
心電図波形の基線に規則的で細かい波形が連続して見られる場合は、交流障害の可能性が高いと判断し、周囲の電気機器を確認する。
関連知識
心電図のアーチファクトには、体動、筋電図、発汗、電極の不良接触、交流障害などがあり、それぞれ基線の形状が異なるため、原因を特定し適切な対処を行う必要がある。