病理組織標本の偏光顕微鏡観察が有用なのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
アミロイドはコンゴレッド染色後に偏光顕微鏡で観察すると、特徴的な緑色偏光(アップルグリーンバイレフリンジェンス)を示すため、診断に不可欠な検査です。ケイ酸結晶(例:アスベスト小体)などの異物結晶は、その複屈折性により偏光顕微鏡で明瞭に観察できます。一方、メラニン、ビリルビン、ヘモジデリンといった色素は、通常光顕や特定の特殊染色で評価されるものであり、偏光顕微鏡の主な観察対象ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. メラニンは色素であり、偏光顕微鏡で特異的に観察されるものではありません。通常、H-E染色や特殊染色で評価します。正しくは:メラニンは色素であり、通常光顕で観察され、フォンタナ・マッソン染色などで確認されます。選びやすい理由:組織の色素として知られているため、特殊な観察方法が必要と思われがちですが、偏光顕微鏡の対象ではありません。混同注意:他の内因性色素であるヘモジデリンやビリルビンと同様に、偏光顕微鏡では観察しません。
- 2. 正解。アミロイドはβシート構造を持つ線維状タンパク質の異常凝集体で、コンゴレッド染色後に偏光顕微鏡で観察すると、特徴的な緑色偏光(アップルグリーンバイレフリンジェンス)を示します。これはアミロイド症の診断に不可欠な所見です。
- 3. 正解。ケイ酸結晶(例:アスベスト小体)は異物として組織内に存在し、その結晶構造のために強い複屈折性を示します。偏光顕微鏡を用いることで、組織切片中のケイ酸結晶やその他の異物結晶を容易に検出・同定できます。
- 4. ビリルビンは胆汁色素であり、偏光顕微鏡による観察は通常行いません。H-E染色では黄褐色に見え、チール・ネールゼン染色などで検出されることがあります。正しくは:ビリルビンは色素であり、通常光顕で観察され、チール・ネールゼン染色などで確認されます。選びやすい理由:メラニンと同様に、組織の色素として知られていますが、偏光顕微鏡の対象ではありません。混同注意:他の内因性色素であるメラニンやヘモジデリンと同様に、偏光顕微鏡では観察しません。
- 5. ヘモジデリンは鉄を含む色素で、偏光顕微鏡で特異的に観察されるものではありません。通常、H-E染色で黄褐色の顆粒として見え、ベルリン青染色(プルシアンブルー染色)で鉄を検出します。正しくは:ヘモジデリンは鉄含有色素であり、通常光顕で観察され、ベルリン青染色などで確認されます。選びやすい理由:メラニンやビリルビンと同様に、組織の色素として知られていますが、偏光顕微鏡の対象ではありません。混同注意:他の内因性色素であるメラニンやビリルビンと同様に、偏光顕微鏡では観察しません。
国試ポイント
病理組織学における偏光顕微鏡の応用について、具体的な疾患や組織成分との関連を理解しているかが問われています。特にアミロイドの緑色偏光は頻出知識です。
混同注意
通常の光学顕微鏡観察で確認できる色素(メラニン、ヘモジデリン、ビリルビン)と、偏光顕微鏡で特異的な所見を示す構造(アミロイド、結晶性異物)との区別が曖昧だと誤答しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、偏光顕微鏡で観察する他の構造(例:尿酸結晶、脂肪滴のマルタ十字など)や、各色素の検出に用いられる特殊染色が問われる可能性があります。
関連知識
コンゴレッド染色とアミロイドの緑色偏光、アスベスト小体やその他の結晶性異物の検出、痛風結節(尿酸結晶)の偏光所見なども関連知識として重要です。