細胞分裂の度に短くなり細胞の寿命に関係するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
テロメアは真核生物の染色体末端に存在するDNA配列で、細胞分裂の際にDNA複製酵素が末端を完全に複製できないため、複製ごとに少しずつ短くなります。このテロメアの短縮が細胞の分裂可能回数を制限し、細胞の老化や寿命に関与しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。テロメアは染色体の末端に存在する反復配列で、細胞分裂のたびに一部が失われ短縮します。この短縮が限界に達すると、細胞はそれ以上分裂できなくなり、老化またはアポトーシスに至るため、細胞の寿命に直接関与しています。
- 2. ヒストンはDNAを巻き付けてコンパクトに格納する役割を持つタンパク質で、細胞分裂によって短くなることはありません。正しくは:ヒストンはDNAの構造維持と遺伝子発現制御に関わるタンパク質です。選びやすい理由:DNAに関連する分子であるため、関連があるように感じられるかもしれませんが、機能が異なります。混同注意:テロメアは染色体構造の一部ですが、ヒストンはDNAを凝縮するタンパク質であり、直接的な寿命の短縮とは関係ありません。
- 3. セントロメアは染色体の中央部分に位置し、細胞分裂時に紡錘体が結合する部位であり、細胞分裂のたびに短縮することはありません。正しくは:セントロメアは染色体の動原体形成部位であり、姉妹染色分体を分離させるための重要な領域です。選びやすい理由:細胞分裂に関わる構造であるため、選択肢として魅力的ですが、短縮する機能はありません。混同注意:テロメアとセントロメアはどちらも染色体上の特定の領域ですが、機能と場所、細胞分裂における挙動が全く異なります。
- 4. ヌクレオソームは、DNAがヒストンに巻き付いた構造の基本単位であり、細胞分裂によって短縮するものではありません。正しくは:ヌクレオソームは染色体を構成する基本単位で、DNAがヒストン八量体に巻き付いた構造を指します。選びやすい理由:DNAのパッキング構造に関わるため、何らかの形で寿命に関わると思われがちです。混同注意:ヒストンと同様にDNAの構造に関わるものですが、テロメアのように細胞分裂ごとに短縮する機能はありません。
- 5. ヘテロクロマチンは、DNAが強く凝集したクロマチン領域であり、遺伝子発現が抑制されていることが多いですが、細胞分裂のたびに短くなる現象とは関連がありません。正しくは:ヘテロクロマチンは、遺伝子発現がほとんどない、高密度に凝縮したクロマチン領域です。選びやすい理由:クロマチン構造の一部であるため、染色体や細胞分裂と関連があるように見えます。混同注意:クロマチンの凝集状態を示す用語であり、テロメアの持つ物理的な短縮機能とは直接関係ありません。
国試ポイント
この問題は、細胞生物学における染色体構造とその機能、特に細胞の老化・寿命に関わるメカニズムについての基本的な知識を問うものです。テロメアの機能と細胞分裂との関係を正確に理解しているかがポイントとなります。
混同注意
テロメアとセントロメアは、どちらも染色体の特定の部位を示す用語であり、似た響きを持つため混同しやすいですが、機能が全く異なります。また、ヒストンやヌクレオソームといったDNAの構造維持に関わる分子との違いも明確にしておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、「テロメラーゼの機能」や「テロメアとがん細胞の関係」など、テロメアに関連するより詳細な生化学的・病理学的側面が問われる可能性があります。
関連知識
テロメアの長さはテロメラーゼという酵素によって維持・伸長されることがあります。生殖細胞や一部の幹細胞、がん細胞ではテロメラーゼが活性化しているため、無限に分裂できる性質を持つことがあります。この知識も関連付けて学習すると良いでしょう。