精度管理法で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
X̄-R管理図法は、日常の精度管理に用いられる管理図の一つです。X̄管理図は平均値の変動、R管理図は範囲(Range)の変動、つまり日内変動のばらつきを管理します。Rは、同一日に複数回測定した管理試料の測定値の最大値と最小値の差として定義され、これは測定の精密さ(再現性)を評価するために重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 精密さ(再現性)とは、繰り返し測定した際のデータ同士のばらつきの程度を指します。真値からのずれの程度は「正確さ(accuracy)」を評価する概念です。正しくは:精密さ(再現性)とは、繰り返し測定した際の測定値のばらつきの程度をいいます。選びやすい理由:「精密さ」という言葉から、何となく「真値に近い」というイメージを持つ人がいるかもしれません。しかし、これは「正確さ」の定義です。混同注意:正確さ(accuracy)と精密さ(precision)。
- 2. マルチルール管理図法を含む日常の精度管理には、既知の濃度や活性を持つ「管理試料(コントロール)」が使用されます。患者検体は変動が大きいため、日常の精度管理には不向きです。正しくは:マルチルール管理図法は、管理試料を用いて行われます。選びやすい理由:臨床検査の最終目的は患者検体の測定であるため、患者検体も精度管理に関わるのでは、と誤解する可能性があります。混同注意:日常精度管理と、患者検体を用いた検査値の評価(例えば、時系列での変化や基準範囲との比較)。
- 3. 2SD管理では、正規分布を仮定した場合、±2SDの範囲に約95.5%のデータが含まれるため、この範囲から外れる確率は約4.5%(100回に4~5回程度)です。10回に1回(10%)は外れすぎです。正しくは:2SD法での管理では統計学的に20回に1回程度は外れ値が出現します(約4.5%)。選びやすい理由:大まかな確率をイメージしにくいため、適当な数字に惑わされやすいです。統計的知識のあいまいさから選んでしまう可能性があります。混同注意:正規分布における各SD範囲に含まれる確率(±1SD約68.3%、±2SD約95.5%、±3SD約99.7%)。
- 4. 管理試料の測定値が3点連続して増加傾向(または減少傾向)を示した場合を「トレンド(傾向)現象」と呼びます。シフト現象は、測定値がある時点から急に高値または低値に一定方向にずれることです。正しくは:管理試料の測定値が3点連続して上昇傾向を示した場合をトレンド現象という。選びやすい理由:シフトもトレンドも「ずれる」現象なので、混同しやすいです。具体的なパターンの違いを理解していないと誤りやすいでしょう。混同注意:シフト現象とトレンド現象。
- 5. 正解。X̄-R管理図のR管理図は、日内変動(ばらつき)を評価するために用いられます。R(Range)は、同一日に複数回測定した管理試料の測定値の最大値から最小値を引いた差(範囲)を示します。これは測定の精密さを評価します。選びやすい理由:X̄管理図とR管理図のそれぞれの役割を理解していれば、正しい選択肢だと判断できます。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、精度管理の基本的な用語(正確さ、精密さ)、管理図の種類と目的、主な管理図のルールと解釈(ウェストガードルールなど)、そして管理図における異常パターンの識別(シフト、トレンドなど)が頻繁に問われます。特に、各管理図が何を管理しているのか、その構成要素は何を意味するのかを正確に理解しておくことが重要です。
混同注意
「正確さ」と「精密さ」の概念、「シフト現象」と「トレンド現象」の違い、各管理図(X̄-R管理図、Shewhart管理図、CUSUM管理図など)の具体的な用途や算出方法。
次に同じ論点が出たら
次に精度管理の問題が出題された場合、ウェストガードルールを用いた異常判定の具体的な事例問題や、異なる種類の管理図(例:CUSUM管理図)の特性と利点・欠点が問われる可能性があります。また、外部精度管理の目的や結果の解釈も重要です。
関連知識
ウェストガード多重ルール(1-2s、1-3s、2-2s、R-4s、4-1s、10xなど)とその解釈、管理試料の選択基準、内部精度管理と外部精度管理の違いとその目的、精度管理における統計的基礎知識(正規分布、標準偏差など)。