検査項目と採血管の添加物の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
選択肢3の血糖測定には、採血後のグルコースの解糖を防ぐためにフッ化ナトリウムが用いられます。選択肢4の赤沈測定には、血液凝固を阻害しつつ赤血球の沈降に影響を与えないクエン酸ナトリウム溶液が適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. PT測定には凝固反応を阻害しない抗凝固剤が必要であり、クエン酸ナトリウムが適切です。EDTAはカルシウムイオンを強力にキレートするため、凝固因子の活性を完全に阻害し、PT測定には不向きです。正しくは:PT (プロトロンビン時間) - クエン酸ナトリウム選びやすい理由:EDTAも一般的な抗凝固剤であるため、他の検査で用いられることを知っていると誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:PTに使用されるクエン酸ナトリウムと、血球算定などに使用されるEDTAの使い分けが混同されやすいです。
- 2. ALPは金属酵素であり、活性にマグネシウムなどの金属イオンを必要とします。EDTAはこれらの金属イオンをキレートして除去するため、ALPの活性を阻害し、測定値を不正確にします。血清またはヘパリン採血が適切です。正しくは:ALP (アルカリホスファターゼ) - ヘパリンリチウム(または採血管なしの血清分離チューブ)選びやすい理由:EDTAは広範囲の検査で用いられる抗凝固剤であるため、深く考えずに選んでしまう可能性があります。混同注意:EDTAが多くの血液検査で使われるため、ALPのような特定の酵素活性を阻害することを見落としがちです。
- 3. 正解。フッ化ナトリウムは解糖系酵素を阻害することで、採血後の血液中のグルコースが消費されるのを防ぎ、正確な血糖値を維持するために使用されます。
- 4. 正解。赤沈測定では、血液が凝固しないように抗凝固剤が必要ですが、赤血球の沈降に影響を与えない程度の適切な希釈率と浸透圧が求められます。クエン酸ナトリウムは凝固を阻止しつつ、赤血球の容積や形態への影響が少ないため、赤沈測定に広く用いられます。
- 5. 血小板数の測定にはEDTAが一般的に使用されます。ヘパリンは血小板の凝集を引き起こす可能性があり、またEDTAと比較して血小板凝集塊を形成しやすいため、正確な血小板数を測定するのには適していません。正しくは:血小板数 - EDTA-2K(またはEDTA-2Na)選びやすい理由:ヘパリンも主要な抗凝固剤であるため、選択肢として魅力的に映る可能性があります。混同注意:ヘパリンが血球算定に不向きであること、特に血小板凝集を引き起こしやすい点が混同されやすいです。
国試ポイント
本問題は、臨床検査において各検査項目に最適な採血管の添加物に関する知識を問うものです。特に、抗凝固剤の種類とその作用機序、また測定対象となる物質への影響を理解しているかが重要です。複数の正答肢を選択させる形式で、より深い知識が求められます。
混同注意
EDTA、ヘパリン、クエン酸ナトリウム、フッ化ナトリウムの各添加物の主な用途と、特定の検査項目における禁忌(例: ALP測定でのEDTA、血小板数測定でのヘパリン)が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各添加物がどのような検査項目で使われ、どのような検査項目で不適切か、その理由(作用機序)まで正確に判断できるかを確認します。
関連知識
各抗凝固剤の作用機序(EDTA: カルシウムキレート、ヘパリン: アンチトロンビンIII活性増強、クエン酸ナトリウム: カルシウムキレート)や、血糖測定における解糖抑制の重要性、さらには血清・血漿の使い分けについても理解しておく必要があります。