免疫学的便潜血検査で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
免疫学的便潜血検査の最大の特徴は、ヒトのヘモグロビンに対する特異性です。これにより、食事内容による影響を受けずに、消化管からの微量な出血を検出することが可能となります。この特異性こそが、化学法と比較した際の大きな利点であり、大腸がんスクリーニングにおいて重要視される理由です。
選択肢ごとの解説
- 1. 免疫学的便潜血検査は、ヒトのヘモグロビンを特異的に検出するため、肉や野菜などの食事内容に影響されません。食事制限が必要なのは化学的便潜血検査(グアヤク法)です。正しくは:便を採取する前に、特別な食事制限は不要である。選びやすい理由:化学的便潜血検査との混同から、食事制限が必要だと誤解しやすい。混同注意:化学的便潜血検査(グアヤク法)
- 2. 便中のヘモグロビンは不安定であり、特に室温では細菌による分解や自己分解が進みやすいです。そのため、採取後は速やかに検査するか、冷蔵(2〜10℃)で保管することが推奨されます。正しくは:採取後の検体は冷蔵保存が望ましい。選びやすい理由:一般的な検体(一部の尿検体など)の室温保管と混同したり、冷蔵庫がない環境での対応を考えてしまう可能性がある。混同注意:他の検体(尿など)の保存条件
- 3. 免疫学的便潜血検査は、ヒトのヘモグロビンに特異的な抗体を使用するため、化学法(グアヤク法)よりも微量の出血を高感度で検出できます。特に下部消化管出血の検出に優れています。正しくは:化学的測定法より検出感度が高い。選びやすい理由:新しい方法なので、かえって感度が低いと誤解する可能性や、特異度と感度の概念を混同する可能性がある。混同注意:検出感度と特異度、または化学法と免疫法の特性
- 4. 免疫学的便潜血検査は、主に大腸がんのスクリーニング検査として広く用いられています。胃がんのスクリーニングには、内視鏡検査などが一般的です。ただし、消化管全般の出血を検出する可能性はあります。正しくは:主に大腸がんのスクリーニング検査として用いられる。選びやすい理由:胃がんも消化管の疾患であり、出血を伴うことがあるため、関連があると思ってしまう。混同注意:消化管出血全般の検出と、特定のがんのスクリーニング対象
- 5. 正解。免疫学的便潜血検査は、抗ヒトヘモグロビン抗体を用いて、ヒトの赤血球中のヘモグロビンのみを検出します。これにより、動物の血液(肉類)や植物由来のペルオキシダーゼ活性(野菜)に影響されず、消化管からの出血を正確に判定できます。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、免疫学的便潜血検査の原理(特異性)、食事制限の不要性、保存方法、および主なスクリーニング対象(大腸がん)が頻出の論点です。化学法(グアヤク法)との違いを明確に理解しているかが問われます。
混同注意
化学的便潜血検査(グアヤク法)の特性(食事制限が必要、非特異的)、他の消化器疾患のスクリーニング法、検体の一般的な保存条件
次に同じ論点が出たら
この問題で間違えた場合は、免疫学的便潜血検査の検出原理、化学的便潜血検査との違い(特に食事制限と特異性・感度)、そして各検査の臨床的意義(主なスクリーニング対象)について、教科書や参考書で詳細に確認し、比較表などを用いて整理すると良いでしょう。
関連知識
化学的便潜血検査では、肉や一部の野菜に含まれるヘム色素やペルオキシダーゼが擬陽性の原因となるため、食事制限が必要です。免疫学的便潜血検査は感度が高く、特に下部消化管出血の検出に優れていますが、上部消化管からの出血でヘモグロビンが消化酵素により変性・分解されている場合は検出が困難になることがあります。