toluidine blue染色で異染色性を示すのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
トルイジンブルー染色は、組織中の酸性ムコ多糖類や、それと関連する物質を検出するのに用いられる特殊染色です。異染性(metachromasia)とは、色素が特定の物質に結合した際に、その色素本来の色とは異なる色調を示す現象を指します。アミロイドは、その構成成分であるヘパラン硫酸プロテオグリカンなどの酸性ムコ多糖類がトルイジンブルーと結合することで、青色ではなく赤紫色に染まるという特徴的な異染性を示します。この性質は、アミロイドーシスの診断において重要な所見の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。アミロイドは、その多糖成分(特にヘパラン硫酸プロテオグリカンなど)とトルイジンブルーが結合することで、染色の色が青色ではなく赤紫色に変化する異染性を示します。これはアミロイドの診断において重要な特徴の一つです。
- 2. コロイドは一般的にトルイジンブルー染色で異染性を示しません。コロイドは甲状腺濾胞内に見られるチログロブリンを主成分とする物質であり、通常は均一なピンク色などに染まります。正しくは:コロイドはトルイジンブルー染色で異染性を示しません。異染性を示すのはアミロイドなどの物質です。選びやすい理由:何らかの異常沈着物として、アミロイドと混同する可能性があります。混同注意:アミロイド、ムチンなどの異染性を示す物質。
- 3. セロイドはリポフスチンと同様に、脂質過酸化反応により生成されるリポタンパク質複合体で、トルイジンブルー染色では異染性を示しません。酸性フォスファターゼ染色などで陽性を示すことがあります。正しくは:セロイドはトルイジンブルー染色で異染性を示しません。これはリポフスチンに類似した色素です。選びやすい理由:加齢色素や病的な沈着物であるため、アミロイドなどの異常タンパク質と誤解する可能性があります。混同注意:リポフスチン、アミロイド。
- 4. ヘモジデリンは鉄含有色素であり、プルシアンブルー反応(Perls染色)で青く染まるのが特徴です。トルイジンブルー染色では異染性は示しません。正しくは:ヘモジデリンはトルイジンブルー染色で異染性を示しません。鉄含有色素であり、プルシアンブルー反応で検出されます。選びやすい理由:異常色素沈着物の一種であるため、他の異常沈着物と混同する可能性があります。混同注意:その他の色素(ビリルビン、リポフスチンなど)、アミロイド。
- 5. リポフスチンは「消耗色素」や「加齢色素」とも呼ばれ、細胞内のリソソームに蓄積する脂質とタンパク質の複合体です。トルイジンブルー染色では異染性は示さず、HE染色では黄褐色顆粒として観察されます。正しくは:リポフスチンはトルイジンブルー染色で異染性を示しません。これは細胞内の加齢色素です。選びやすい理由:加齢に伴う色素沈着として、異常な沈着物と誤解される可能性があります。混同注意:セロイド、ヘモジデリン、アミロイド。
国試ポイント
トルイジンブルー染色が異染性を示す物質として「アミロイド」を正確に理解しているかを問う問題です。特殊染色の目的とその染色性状(特に異染性)について、各色素の代表的な組織成分との組み合わせを覚える必要があります。特に、アミロイドはコンゴーレッド染色で特徴的なApple-green birefringenceを示すことと合わせて、トルイジンブルーの異染性を理解しておくことが重要です。
混同注意
アミロイドと混同しやすいのは、その他の異常沈着物や色素です。例えば、ムチン(粘液)も異染性を示すことがありますが、問題の選択肢にはありません。ヘモジデリン、リポフスチン、セロイドは色素沈着ですが、トルイジンブルーで異染性を示しません。コロイドも同様に異染性を示しません。それぞれの物質と、関連する特徴的な染色法や染色結果を明確に区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、トルイジンブルー染色やコンゴーレッド染色など、頻出する特殊染色の適応物質と、それぞれの特徴的な染色性状(異染性、偏光性など)を思い出せるかを確認します。
関連知識
トルイジンブルー染色で異染性を示す他の物質としては、肥満細胞の顆粒(ヘパリン)、軟骨基質(コンドロイチン硫酸)、一部の悪性腫瘍で産生される酸性ムコ多糖などが挙げられます。また、アミロイドの診断には、コンゴーレッド染色と偏光顕微鏡によるApple-green birefringenceが最も特異的で重要です。