肝硬変症の合併症として適切でないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
肝硬変症が進行すると、肝臓は線維化と再生結節形成により硬くなり、最終的には萎縮することが一般的です。急性肝炎や初期の脂肪肝などでは肝腫大が見られますが、肝硬変の合併症として典型的に腫大するわけではありません。選択肢3の肝腫大は、肝硬変の進行期には適切でない症状と言えます。
選択肢ごとの解説
- 1. 黄疸は肝硬変の進行により、肝臓のビリルビン代謝能力が低下することで発生します。ビリルビンが体内に蓄積し、皮膚や眼球が黄色くなります。正しくは:黄疸は肝硬変症でよく見られる合併症である。選びやすい理由:肝機能低下の代表的な症状なので、選んでしまう可能性がある。混同注意:肝機能不全の様々な症状と混同しやすい。
- 2. 腹水は肝硬変による門脈圧亢進症や低アルブミン血症が原因で起こります。腹腔内に液体が貯留する状態です。正しくは:腹水は肝硬変症でよく見られる合併症である。選びやすい理由:肝硬変の代表的な合併症であるため、適切でないものとして誤って選ぶ可能性は低い。混同注意:門脈圧亢進症による他の症状(食道静脈瘤など)と原因を混同しやすい。
- 3. 正解。肝硬変症では、肝臓は進行すると線維化により硬くなり、むしろ萎縮することが多いです。初期には腫大することもありますが、典型的な合併症や進行期の症状としては肝腫大よりも萎縮が一般的です。正しくは:肝硬変症では、進行すると肝臓は萎縮することが多い。選びやすい理由:肝炎などの初期段階では肝腫大が見られるため、肝疾患全般の症状として誤って関連付けてしまう可能性がある。混同注意:急性肝炎や脂肪肝など、他の肝疾患での肝腫大と混同しやすい。
- 4. 食道静脈瘤は、肝硬変による門脈圧亢進症が原因で、門脈の血液が迂回するために食道の静脈が拡張・蛇行したものです。破裂すると大出血を起こす危険性があります。正しくは:食道静脈瘤は肝硬変症でよく見られる合併症である。選びやすい理由:門脈圧亢進症の重要な合併症であるため、適切でないものとして選ぶ可能性は低い。混同注意:消化器系の他の静脈瘤(胃静脈瘤など)と混同しやすい。
- 5. 女性化乳房は肝硬変による肝機能低下が原因で、女性ホルモンの代謝が不十分になり、体内で女性ホルモンの相対的な増加が生じることで男性に発現します。正しくは:女性化乳房は肝硬変症でよく見られる合併症である。選びやすい理由:性ホルモン代謝異常と肝臓の関連性を知らないと、誤って選択してしまう可能性がある。混同注意:肝性脳症などの内分泌系の他の合併症と混同しやすい。
国試ポイント
肝硬変の病態生理とそれに伴う典型的な症状・合併症を理解しているか問われる問題です。特に、肝臓のサイズ変化については、疾患のステージによって異なるため注意が必要です。進行期の肝硬変では肝萎縮が特徴的であり、肝腫大ではないという点が重要です。
混同注意
急性肝炎や脂肪肝における肝腫大と、進行した肝硬変における肝萎縮を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
肝硬変のステージごとの肝臓の形態変化、各合併症の発生メカニズムと治療法について確認する問題が出ることが予想されます。特に、合併症の組み合わせや、特定の治療法の対象となる合併症を問われる可能性があります。
関連知識
門脈圧亢進症(腹水、食道静脈瘤)、肝機能不全(黄疸、女性化乳房、肝性脳症)、出血傾向、肝腎症候群など、肝硬変の多岐にわたる合併症。肝硬変の病理組織学的変化(線維化、再生結節)。