糞便の特徴と疾患の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
灰白色便は、胆汁が消化管内に分泌されないことで、便中のステロコビリンが欠乏するために生じます。閉塞性黄疸では、胆管が閉塞することで胆汁が腸管へ流れなくなり、この状態を呈します。米のとぎ汁様便は、コレラ菌が産生する毒素により、腸管からの水分と電解質の大量分泌が起こり、便が白色混濁を呈するため、コレラの典型的な症状です。
選択肢ごとの解説
- 1. 黒色便は上部消化管出血で発生します。血液が胃酸と反応し、酸化ヘモグロビンがヘマチンとなり黒色を呈するためです。下部消化管出血の場合、血液は消化管滞留時間が短いため、赤色便や鮮血便となることが多いです。正しくは:黒色便上部消化管出血選びやすい理由:下部消化管出血でも出血量が多く消化管通過が遅い場合は黒色になることが稀にあるため混同しやすいですが、典型的には上部消化管出血です。混同注意:下部消化管出血(鮮血便、赤色便)
- 2. 正解。灰白色便は、胆汁の消化管への分泌が障害されることにより、便の褐色を決定するステロコビリンが生成されないために見られます。閉塞性黄疸では、胆管が閉塞し胆汁が腸管に流れないため、この特徴的な便が出現します。選びやすい理由:閉塞性黄疸の病態生理と便の色の関係が直接的に理解できるため、正しいと判断しやすいです。混同注意:バリウム便(バリウム検査後に見られる白色便)
- 3. アメーバ赤痢の典型的な便は「イチゴゼリー状粘血便」です。白色下痢便はロタウイルス感染症などで見られます。正しくは:白色下痢便ロタウイルス感染症、イチゴゼリー状粘血便アメーバ赤痢選びやすい理由:下痢便が多くの感染症で見られるため、アメーバ赤痢も下痢便を呈すると考えやすいですが、特徴的な性状を混同しやすいです。混同注意:ロタウイルス感染症、細菌性赤痢(粘血便)
- 4. 正解。コレラ菌感染症では、コレラ毒素により小腸からの大量の水分と電解質の分泌が促進され、特徴的な「米のとぎ汁様便」と呼ばれる、白色混濁で便臭の少ない水様便を来します。選びやすい理由:コレラの代表的な症状としてよく知られており、強く関連付けられているため、正しいと判断しやすいです。混同注意:その他の水様下痢便を呈する疾患
- 5. イチゴゼリー状粘血便はアメーバ赤痢に特徴的な便の性状です。細菌性赤痢では粘液と血液が混じった粘血便が見られますが、イチゴゼリー状という表現はアメーバ赤痢に特異的です。正しくは:イチゴゼリー状粘血便アメーバ赤痢選びやすい理由:細菌性赤痢も粘血便を呈するため、イチゴゼリー状という表現がやや曖昧に感じられ、細菌性赤痢も含まれると誤解しやすいです。混同注意:アメーバ赤痢
国試ポイント
便の性状と関連する代表的な疾患の組合せを正確に覚えることが重要です。特に色調と粘稠度は疾患鑑別の重要なポイントとなります。
混同注意
黒色便は上部消化管出血、赤色便は下部消化管出血と一般的に関連しますが、大量の下部消化管出血では黒色便となることもあります。また、白色便でもバリウム摂取後と閉塞性黄疸によるものとを区別する必要があります。
次に同じ論点が出たら
便の性状に関する問題が出た場合、便の色調、粘稠度、含まれる成分(血液、粘液など)を詳細に確認し、それぞれの特徴がどの疾患と関連が強いかを判断します。
関連知識
タール便(黒色便)は胃潰瘍や十二指腸潰瘍など、上部消化管出血の指標です。粘血便は赤痢菌感染症や虚血性大腸炎などで見られます。白色下痢便はロタウイルス感染症で特徴的です。イチゴゼリー状粘血便はアメーバ赤痢に特徴的です。