尿沈渣中の白血球と上皮細胞との鑑別に用いるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
尿沈渣中の白血球と尿細管上皮細胞を鑑別するには、プレスコット・ブローディー染色が特異的に用いられます。この染色により、細胞核の形状や細胞質の顆粒の有無が明瞭になり、両者を区別することが可能になります。
選択肢ごとの解説
- 1. ベルリンブルー染色は鉄(特にヘモジデリン)を検出する際に用いられます。正しくは:鉄の検出に用いる。尿沈渣中の白血球と上皮細胞の鑑別には不適。選びやすい理由:染色法の一つとして知識があるため、選択肢として目につきやすい。混同注意:他の特殊染色と混同しやすい。
- 2. 正解。プレスコット・ブローディー染色(酢酸・トルイジンブルー染色)は、尿沈渣中の細胞を染色する際に、白血球(特に好中球)と尿細管上皮細胞を鑑別するために特異的に用いられます。この染色では、白血球の核が濃染され、細胞質内の顆粒が確認しやすくなる一方、上皮細胞とは異なる染色パターンを示すため、鑑別に有用です。選びやすい理由:比較的専門的な染色法であるため、知らないと選びにくいかもしれないが、知っていれば正答として選びやすい。混同注意:尿沈渣で用いられる他の染色法と混同しやすい。
- 3. サムソン染色という標準的な検査染色法は一般的ではありません。何らかの誤りか、ごく特殊な用途の染色である可能性が高いです。正しくは:尿沈渣検査で一般的に使用される染色法ではない。選びやすい理由:聞きなれない名称であるため、知識不足から選んでしまう可能性がある。混同注意:架空の染色法や非常に稀な染色法と混同しやすい。
- 4. メイ・ギムザ染色は主に血液細胞や骨髄細胞の形態学的観察に用いられ、細胞質と核の構造を鮮明に染め分けますが、尿沈渣中の白血球と上皮細胞の鑑別には特異的に使用されません。正しくは:血液や骨髄細胞の形態観察に用いる。尿沈渣中の白血球と上皮細胞の鑑別には不適。選びやすい理由:血液検査で広く使われる有名な染色法であるため、正しい選択肢と誤解されやすい。混同注意:ライシュマン染色やギムザ染色など、他の血液細胞染色と混同しやすい。
- 5. スーダンⅢ染色は脂質(中性脂肪)を検出する際に用いられる染色法です。尿沈渣においては、脂肪円柱や脂肪滴の検出に用いられますが、白血球と上皮細胞の鑑別には適していません。正しくは:脂質の検出に用いる。尿沈渣中の白血球と上皮細胞の鑑別には不適。選びやすい理由:尿沈渣検査で実際に使用される染色法の一つであるため、迷いやすい。混同注意:脂肪染色であるスーダンIV染色やオイルレッドO染色と混同しやすい。
国試ポイント
尿沈渣検査における鑑別診断のための特殊染色について、具体的な染色法とその目的を正確に理解しているかが問われます。特に、どの染色がどのような細胞や成分の検出・鑑別に有効であるかを覚えていることが重要です。
混同注意
尿沈渣で用いられる他の染色法(例えば、Sternheimer-Malbin染色、トルイジンブルー染色など)や、血液検査で一般的に使われる染色法(メイ・ギムザ染色)との混同に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、選択肢に挙がっている他の染色法についても、その目的や検出対象が正しいかを確認する知識が問われるでしょう。また、鑑別すべき細胞が白血球と上皮細胞以外の場合(例:赤血球と酵母)に、どのような染色法を用いるかといった応用的な知識も問われる可能性があります。
関連知識
尿沈渣の標準染色法であるSternheimer-Malbin染色、尿中脂肪成分の検出に用いるスーダンⅢ染色、鉄成分検出のベルリンブルー染色など、各染色法の適用範囲と目的を理解しておくことが必要です。また、尿沈渣の形態学的な特徴と、それらを識別するための染色法の選択について関連付けて学習すると効果的です。