ABO血液型抗原について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ABO血液型抗原は、赤血球表面に存在する糖脂質または糖タンパク質の糖鎖末端構造によってその特異性が決定されます。この糖鎖の構造の違いにより、A抗原、B抗原、H抗原が識別されます。
選択肢ごとの解説
- 1. O型ではA抗原もB抗原も発現しませんが、A抗原とB抗原の前駆物質であるH抗原は高密度で発現しています。したがって、O型でもH抗原は見られます。正しくは:O型ではH抗原が高密度で見られる。選びやすい理由:O型が「無抗原」と誤解されている場合、H抗原も存在しないと考えてしまうため。混同注意:A抗原やB抗原が存在しないことと、H抗原が存在しないことを混同しやすい。
- 2. ABO血液型抗原は赤血球表面だけでなく、唾液や汗などの体液中にも分泌型として存在します(分泌型の人)。また、腎臓や血管内皮細胞など、赤血球以外の細胞表面にも発現しています。正しくは:赤血球表面だけでなく、分泌型として体液中にも存在し、他の細胞表面にも発現している。選びやすい理由:血液型検査が赤血球を用いるため、赤血球のみに存在すると誤解しやすい。混同注意:血液型検査の対象と、抗原の全身的な存在部位を混同しやすい。
- 3. 亜型(例:Aサブグループ)は、主に遺伝子変異によって抗原の発現量や構造が変化することで生じます。後天的な抗原変異によるものは稀であり、主に疾患(例:白血病)や感染症によって一時的に抗原が変化する場合を指します。正しくは:亜型は主に遺伝子変異によって生じる。選びやすい理由:「変異」という言葉から、後天的な変化を連想しやすいため。混同注意:遺伝的要因による亜型と、疾患などによる一時的な後天性抗原変化を混同しやすい。
- 4. 正解。ABO血液型抗原の特異性は、赤血球表面の糖脂質や糖タンパク質の非還元末端に結合する糖鎖構造によって決定されます。A型ではN-アセチルガラクトサミン、B型ではガラクトースがH抗原の糖鎖末端に結合することで特異性が生じます。選びやすい理由:最も正確な記述であるため、選択されやすい。混同注意:抗原決定基がタンパク質部分であるという誤解。
- 5. 新生児のABO血液型抗原の発現量は、成人と比較して未熟であり、通常生後3〜6ヶ月頃から徐々に増加し、1歳頃までに成人と同じ水準に達します。このため、新生児のABO型判定には注意が必要です。正しくは:新生児での発現量は成人よりも低い水準である。選びやすい理由:「新生児でも血液型がある」という事実から、発現量も成人と同じだと誤解しやすい。混同注意:血液型が存在することと、その抗原の発現レベルを混同しやすい。
国試ポイント
ABO血液型抗原の生化学的本体(糖鎖構造)と発現様式を理解することが重要です。
混同注意
ABO血液型抗原がタンパク質自体によって規定されると混同しやすいですが、糖鎖構造が本体です。
次に同じ論点が出たら
ABO血液型抗原の特異性に関わる物質(糖鎖)とその前駆物質(H抗原)、および発現時期の適切性に着目して判断します。
関連知識
H抗原はA抗原およびB抗原の前駆物質であり、H遺伝子によってコードされるフコース転移酵素によって合成されます。ボンベイ型はH抗原を持たないため、A抗原、B抗原も発現しません。新生児では抗原の発現が未熟であり、生後数ヶ月で成人レベルに達します。